しまんちゅシネマ

映画ノート

【映画】セッション

アカデミー賞終わっちゃいましたが、しばらくは関連作品を取り上げます。
今日はJ・K・シモンズ助演男優賞に輝いた『セッション』です。
 
 
 
セッション(2014)アメリ
原題:Whiplash
 
 
 
 
 
 
あらすじ
ジャズドラマーを目指して名門音楽学校に入学したニーマンは、伝説の教師と言われるフレッチャーの指導を受けることに。しかし、常に完璧を求めるフレッチャーは容赦ない罵声を浴びせ、レッスンは次第に狂気に満ちていく。
 
感想
 
これは最高に面白かった!
説明もなしに始まり、そこから続く音楽がまずかっこいい。
本作は権威ある学校のジャズバンドに所属し、鬼コーチのもと鍛えられた監督デイミアン・チャゼル自身の体験を基にしたお話だそうです。
 
特記すべきはやはりJ・K・シモンズ演じたフレッチャーの役どころですね。
監督が師事した鬼コーチをモデルに、他の有名ジャズメンやバンドリーダーのキャラも盛り込んだと言うこの鬼教師のスパルタ振りが楽しくてね(笑)
鍛えた身体にピッタリフィットした黒いTシャツ、あの声でシモネタ交じりの罵声を浴びせ倒す。
こめかみに走る青筋とはげ頭でさえも彼のストリクトさを象徴しているようで、とにかくJ・Kがはまり役。
 
マイブームになりそうなのは、演奏を止める合図に手をクルルっ!とさせるあのポーズ(笑)
 
J・Kに鍛えられるニーマンを演じるマイルズ・テラーは今まであまり好きな俳優ではなかったですが、今回は彼の生意気な部分が生かされてました。
フレッチャーに認められたかと思えばとことん下げられる。鼻をへし折られ、次第に狂気に走っていくという演出に、ドラム演奏で挑んだテラーには拍手。
 
ほぼ演奏だけというシーンが長く続くのに、これが全く退屈しない。
ジャズのかっこよさは勿論のこと、そこにはアーティスト同士のプライドをかけた意地があり求めるべき極限があるから。
中学時代、部活が凄く厳しかったけれど、やるだけのことはやったという壮快感は生涯残る、それに似た感覚かな。
 
 
 
終盤、予測不能の展開に「うっそおおーーーーーーん!」となったかと思えば
次に不思議な爽快感が沸き起こり、なんか笑ってしまってる自分がいました。
これ昨年観てたら『博士と彼女のセオリー』と同等のランクをつけてたはず。
ジャズメンの名前もいくつか出てくるのでジャズ好きにもたまらない作品ではないかしら。
監督は20代の新鋭。ホラー系の脚本を手がけてきたとあって、どこかホラーチックなところもいい。今後が大いに楽しみですね。
 
 
日本公開は4/17