しまんちゅシネマ

映画ノート

鳩の翼

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1997年(英)
【ストーリー】
1910年、ロンドン。没落した中産階級のケイトは、上流階級の因習と支配的な叔母によって、貧しいジャーナリストのノーマンとの結婚を禁じられていた。そんな時、彼女は富豪のアメリカ人ミリーに出会い、その天使のような寛容さに魅了される。だがミリーは、ケイトの恋人であるノーマンに恋心を抱いていた...。
■感想
文豪ヘンリー・ジェイムズの傑作イアン・ソフトリー監督により完全映画化!

 

今日は久々に登録できない文字とやらにやられてしまい、どうしても出演者が書けない!!

 

主演はヘレナ・ボナム=カーター
ヘレナ演じるケイトは、母親を亡くし、叔母であるシャーロット・ランプリングに育てられています。
叔母は、身分違いの貧しい男と結婚し落ちぶれ死んでいった姉(ケイトの母)への思いから、ケイトの結婚相手にはうるさい。

 

ケイトは貧しいジャーナリストノーマン(ライナス・ローチ)に想いをよせているものの、叔母は許そうとしません。
そんな折り、二人はあるパーティの場でアメリカ人の富豪ミリー(アリソン・エリオット)に出会います。
ミリーとケイトは意気投合し、親交を深めるのですが、ミリーはノーマンに恋心を抱くようになります。

 

ミリーは明るく天使のように可憐な女性。
ある日ケイトはノーマン、ミリーをベニス旅行へと誘うのですが、ケイトにはある計画があったのです。

 

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いやーー、これは面白かった!
イギリスの文豪の作品の映画化、100年ほど前の上流階級のお話ということで、
勝手に「プライドと偏見」的な雰囲気を想像してましたが違いました。

 

ノーマンと結婚したいと思うケイトが、その思いを遂げるために計画することが、なんとも利己的で恐ろしい。
しかし、やがてその計画はケイトに大きな苦しみを与えることとなり‥。

 

人間の心理って、こんなにも複雑で、愛はこんなにも深い。
ノーマンを巡る、ケイトとミリーの対照的な愛の形にショックさえ受けます。
3人の愛と欲望が絡み合い、不条理でありながらある決着を迎える。
しかし、そこに本当の愛はあるのか。その行く末を案じずにはいられません。

 

天使のようなアリソン・エリオットも素敵ですが、やはりここは悪魔的なヘレナが凄いですね~。
ヘレナはこういうコスチューム劇がはまります。
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ミリーを演じたアリソン・エリオットは「この森で、天使はバスを降りた」の時とは随分雰囲気が違いますね。
最近観た「記憶の棘」では、大きく風貌が変わっていて驚きましたが、「ジェシージェームズの暗殺」ではどうでしたか?

 

複雑な恋愛模様を、深い心理描写で描き上げた本作。
見応えたっぷりで、面白かったです。


★★★★☆