２１グラム

２００３年（米）監督・製作 ： アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ出演 ： ショーン・ペン　/　ナオミ・ワッツ　/　ベニチオ・デル・トロ　/　シャルロット・ゲーンズ　　　　　ブール 　他【ストーリー】夫と２人の幼い娘と幸せな生活を送っているクリスティーナ（'''ナオミ・ワッツ'''）。前科を持つジャック（'''ベニチオ・デル・トロ'''）だが、今は妻と２人の子どもと平和に暮らし、信仰に生きがいを見い出している。心臓移植手術を受けないと１カ月の命という大学教授のボール（'''ショーン・ペン'''）の元に、別居していた妻メアリー（シャルロット・ゲーンズブール）が戻り、彼の子どもを宿したいと申し出る。決して出会うはずのない彼らが、ある交通事故をきっかけに結び付く。その果てにあるのは希望なのか、それとも…。

人は死んだ時に、魂の重さの分の21グラムだけ体重が軽くなるという。
命の重みについて考えさせられる作品でした。

まず、構成。まるでジグソーパズルをばらばらにして、その断片を次々に見せられるよう。
この時系列のシャッフルは、慣れるのに多少時間がかかった気がします。
３人それぞれのストーリーがフラッシュ的に描かれながら次第に繋がっていく。
何故？で途中で切れてたものの意味がクリアになっていく。
それはそれで面白かったかも。

この映画のテーマは「それでも人生は続いていく」ということ。
交通事故を起こしてしまった犯人。
事故で愛する家族を一度に失ってしまった妻。
壊れかけた心臓を抱えながら明日訪れるかもしれない死に怯えながらベッドに横たわる大学教授。
悲しみ、苦しみを背負いながらも生きていかなければならない。

そしてもう1つのテーマとして「命もまた繋がっていく」ということ。

底知れない苦痛、恨みに満ちた人生。
だけど、生まれてくる命によって新たな始まりを見出すことができる。
「life goes on」をこの二通りの意味合いで表現したのかな。
最後のナオミ・ワッツの表情からそんなことを感じました。

ショーン・ペン、ベニチオ・デルトロ、ナオミ・ワッツそれぞれの演技力が光る作品。
トロ様の鬼気迫る演技が印象的でした。

　★★★＊☆