しまんちゅシネマ

映画ノート

庭から昇ったロケット雲


2007年(米)監督:マイケル・ポーリッシュ脚本:マイケル・ポーリッシュ/マーク・ポーリッシュ出演:ビリー・ボブ・ソーントンヴァージニア・マドセンブルース・ダーン/ティム・ブレイク・ネルソンマックス・シエリオット/ジャスパー・ポーリッシュ/ローガン・ポーリッシュ/マーク・ポーリッシュ J・K・シモンズ【ストーリー】小さな頃から宇宙飛行士になるのが夢だったチャーリー・ファーマーは、いつしかNASAの宇宙飛行士訓練プログラムに参加するまでになり夢へと確実に近づいていく。そんな矢先、父親が急死し、彼は実家の農場を継がなければならなくなってしまう。それでも夢を諦めなかったチャーリーは、独力でロケットを作り、自分の農場から宇宙へ飛び立とうと無謀とも思える計画を進めていく。夢に突き進むチャーリーを、妻のオーディと子どもたちが支えていく。しかしやがて、そんな彼の行動はFBIの知るところとなり、危険人物としてマークされてしまう。
■感想
宇宙飛行士として宇宙に飛び立つ事。それは父から受け継いだ夢でもあった。

実現を目前にしながら、夢を断念し、父の農場を継いだチャーリー・ファーマー。
それでも宇宙飛行士になることを諦めることができず、ロケットを自主制作し
自宅の農場から宇宙に飛び立とうという計画を進めていたのです。 

ありえん! 無謀!!  誰もがそう思うでしょ。

私財をつぎ込んで夢を追いかけ、自分の生命までリスクにさらす、そんな夫じゃ困るじゃない?
最初はそう思いながら観てたんです。

でもね、そんな夫を心から愛し、サポートする妻(ヴァージニア・マドセン)がいて
子供たちは、夢に向かって走り続ける父を、心から尊敬しているのですよね。
15歳の息子にミッションの協力者として専門知識を教え込むファーマー。

学校の勉強よりも大切なものを教える、父の姿もそこに見ることが出来ます。

主役のチャーリー・ファーマーを演じるのがビリー・ボブ・ソーントン
「バッド・サンタ」の彼からは想像もできない(笑)一本筋の通った愚直な姿が結構珍しいかも。
途中FBIに計画を知られ、個人でロケットを製作するのは違法と計画を阻止されるのですが
それでも、飄々と、夢に向かう不屈の男を演じます。
中盤に、彼が【夢を諦めない】理由が明かされ、父を乗り越えようとする姿には感動。



ファーマーのモデルとも言えるのは、監督、製作、脚本の双子のポーリッシュ兄弟の父親だそうで、
小さい時から何をするにも、無理だとか、諦めろという事を一切言わなかった父がいて、今映画作りの夢を実現させている自分たちがいる。父への感謝と尊敬の思いが込められた作品のようです。

映画の中でキュートな姿を見せてくれる二人の娘たちは、このポーリッシュ兄弟のそれぞれの娘ちゃんだそうですよ。

ちょっとベタかもしれないので、好みの別れるところでしょうか。
でも家族の心が一つになって、宇宙に飛び立つクライマックスでは、やはり大きな感動に包まれました。

NASAの管制塔では、ある大物俳優がノンクレジットでカメオ出演しています。「アルマゲドン」ですね(笑)
FBI捜査官として脚本のマーク・ポーリッシュも登場します。

夕焼けに染まった雄大な農場の風景もとても美しい。
それから、エンドロールが始まっても席を立たないように。

最後にとびきり楽しいオマケがありますから。



★★★★☆