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映画ノート

インサイダー


1999年(米)監督/脚本:マイケル・マン出演:アル・パチーノラッセル・クロウクリストファー・プラマーダイアン・ヴェノーラ   フィリップ・ベイカー・ホール/リンゼイ・クローズ/デビ・メイザー/ジーナ・ガーション【ストーリー】人気報道番組のプロデューサー、バーグマンのもとに匿名の書類が届けられる。それは、あるタバコメーカーの極秘ファイルだった。彼はその書類の意味を探るうち、ワイガンドという人物に行き当たるが・・・。

タラちゃんの好きなものシリーズ 7本目! ランキング11位『インサイダー』

■感想
アメリカのタバコ産業の不正を告発したTVプロデューサーと元重役を描いた社会派ドラマです。
監督は『ヒート』『パブリック・エネミーズ』のマイケル・マン

これは実話がベースになってるんですね。
CBSの人気報道番組「60 Minutes」の敏腕プロデュー サーローウェル・バーグマンにアル・パチーノ
大手タバコメーカーB&W社の元研究開発部門副社長ジェフリー・ワイガンドにラッセル・クロウ
番組の看板キャスター マイク・ウォレスにクリストファー・プラマーという実力者揃い!

タバコ会社の不正に気付いたCBSプロデューサーのアル・パチーノが、企業の元重役ラッセル・クロウ接触
番組のインタビューで真実を話し、裁判で証言することを勧めるのですが、
病気の娘の医療費の支払いをしなければならないという事情を抱えるクロウは、生活基盤を失うことを怖れ
告発という手段に踏み切れません。
しかし不正は多くの国民の健康に関わること。
彼は科学者としての正義と家庭人としての自分の間で葛藤するんですね。

アル・パチーノもジャーナリスト魂で真実を追い求めながらも、クロウを窮地に追いやることに傷つき悩むという
ナイーブで人間的な一面を持ち合わせていて、揺れまくり。

クロウがインタビューに応えることを決心するまでも大きな決断を要すのだけど、
企業側も手を尽くして妨害してくるわけで、放送にこぎ着けるのはもっと大変。

フィクションとなっている部分もあるとのことで、どこまでが事実かはわからないものの
「告発」にまつわる報道側と企業とのバトルは見物で
それに関わる人たちがどれほど人生をかけることになるのかというのを思い知らされる熱いドラマでしたね~。

誰もが揺らぎながら、正義に突き進もうとする姿が印象的。役者陣ももちろん好演でした。
結局一番強かったのは、この道50年のキャスターだったかもしれません。プラマーはこれまたカッコいいわ。

男気に溢れた社会派ドラマで観応えガッツリ。
今更ながら面白かったです。

アカデミー7部門にノミネートされるものの無冠に終わってます。
この年は『アメリカン・ビューティー』ですね。

★★★★☆