しまんちゅシネマ

映画ノート

バニッシング-消失-


1988年(オランダ/フランス)
監督:ジョルジュ・シュルイツァー
出演:ベルナール・ピエール・ドナデュー/ジーン・ベルヴォーツ/ヨハンナ・テア・ステーゲ

■感想
オランダ版サイコサスペンス
 
愛する恋人が、共に行ったドライブインで謎の失踪をとげた
それから3年。彼女の失踪を追い続けていた主人公は、ついに犯人らしき男に遭遇する・・・
 
恋人が自分の前から姿を消して3年。。
あの日何があったのか?
恋人はもう死んでしまったのか?
目撃者が見たという、ドライブインで一緒にいた男は誰なのか?

失踪の直前、トンネル内で止まってしまった車に恋人を残したまま、ガソリンを買いに行ってしまった
主人公が、自分の行動を悔い、恋人への愛の大きさを新たに知るというシチュエーションを設け
必死に恋人を捜し求める主人公に同情してしまうのだけど
面白いのは、途中からは、その執念の原動力となっているのは
すでに「愛」だけではないよねって思えてくるところ。
3年経った今でも現場に足を運ぶ、貼紙をする、テレビで呼びかける
もう、とにかく、真相を知りたくて、知りたくて、知りたくてたまらない!!
こうなったら完全にオタク。で、このオタク魂に犯人が共鳴してしまうんだなぁ
 
で、ここまで書くと、あれれジェフ・ブリッジスキーファー・サザーランド主演の『失踪』に似てる?
って思った方も多いでしょ。
そう、『失踪』はオリジナルの面白さを買われ、監督がハリウッドに呼ばれて撮った
セルフリメイクだったんですね。
でも終盤の展開がまるで違います。
良くも悪くもハリウッド映画になってしまってたジェフ・ブリッジ版よりもこっちが数倍面白い!
 
終盤、主人公と犯人のオタク魂のぶつかり合いです。
真相を知りたい主人公と、その主人公の執念に惹かれてしまった犯人の心理合戦が
スリリングで最高に面白い。
しかも驚愕のラストに背筋が凍ること請け合い!