しまんちゅシネマ

映画ノート

アマンダ・セイフライドが怖い『ファインド・アウト』




ファインド・アウト(2012)アメリ
原題:Gone
監督:エイトール・ダリア
出演:アマンダ・セイフライドジェニファー・カーペンター/ダニエル・サンジャタ/ セバスチャン・スタンマイケル・パレウェス・ベントリー/キャサリン・メーニッヒ
日本公開:6/15
2年前に、森林公園で泥まみれで発見されたジル(アマンダ・セイフライド)。
何者かに拉致され穴の中で監禁されたと訴えるも、証拠がみつからず
捜査は打ち切られ、全てはジルの虚言と片付けられていた。そんな折、妹のモリーが突如姿を消す。



 アマンダ演じるジルは、今も自分の監禁された「穴」を探すため毎日公園を歩き回ったり、近所で失踪事件があれば関連を調べ警察に同一犯の犯行と訴える、云わば、事件に取り付かれた女の子。
警察はそんなジルを疎んじ、まるで相手にしない。そんなときに妹が失踪。相変わらずジルの言葉に耳を貸さない警察に業を煮やし、ジルが一人犯人探しに挑むという話し。



(↑妹が失踪し、犯人との関連を切々と訴えるジルに対し、警察はメモも取らない の図)

 ジルが精神疾患の既往を持つことから、ジルの監禁は本当にあったことなのか、はたまた警察の言うように妄想なのか、見ているほうもよく分らなくなります。妹の恋人もちょっと怪しい感じで、監督は観客を惑わすのがお好きな様子。
それでも次第にジルは犯人と思しきに近づいていくんですが、それらの情報があっさり見つかっていくところが都合よすぎで、ミステリーとしての面白さを味わえない。
でも本作を、誰にも信じてもらえないジルのリベンジと観れば、ジルの焦燥、怒りにスポットを当てた描き方も納得で、ジルの行動に驚くものの、シニカルなラストも上手いと思えます。
ま、勿論コメディに近い映画的な感覚で観るのが肝心で、倫理など持ち出すと楽しめないですけどね。

 日本の北朝鮮問題もそうだけど、拉致被害に遭いながら捜査が進まず、怒りと哀しみを抱える家族も多いことでしょう。証拠がみつからないからと事件を放置してしまう警察、こんなことがあっていいのかと感じるところがあれば、それでいい映画かもです。
とは言え、目力あるアマンダちゃんのノンストップの独走には引き込まれました。

 警察署のトップに80年代のアイドル、マイケル・パレ。(写真二枚目、アマンダちゃんの隣)
いつのまにか覇気のないおっさんが似合うようになりました。