しまんちゅシネマ

映画ノート

ミニー&モスコウィッツ

 
1971年(米)
監督:ジョン・カサヴェテス
出演:ジーナ・ローランズ/シーモア・カッセル/ジョン・カサヴェテス/ヴァル・アヴェリー/ティモシー・ケリー
キャサリン・カサヴェテス
【ストーリー】
駐車場係のアルバイト・モスコウィッツは、偶然出会ったミニーに一目惚れする。彼はミニーに猛アタックを掛けるが、全く相手にされず…。
■感想
本作は、『ハズバンズ』『フェイシズ』とともにジョン・カサヴェテスの結婚3部作となるもので
カサヴェテスの、妻ジーナ・ローランズに対する一目惚れの体験や、移民の息子と政治家の娘という立場の違い、結婚式でのエピソードなど、妻への深い求愛の経験をもとに作られた作品だそうです。
(アマゾンの解説より)
この映画好きだったなぁ。
ミニー(ジーナ・ローランズ)は美術館に勤める美しい女性
モスコウィッツ(シーモア・カッセル)は、ひょんなことからミニーと出会い一目ぼれ。
過激に猛攻撃をしかけますが、ミニーは受け付ける気持ちなし。
 
ミニーとモスコウィッツはまるで正反対なのね。
映画が大好きで、映画のような熱い恋に憧れるミニー。
でも実際には妻子ある恋人と分かれられないまま、ふがいない自分をどうすることもできない
その結果、彼女は現実を現実として見ない女性になってたんですね。


この映画にはさまざまな困った人が登場するんだけど
ミニーは彼らの話を聞きながら、大きなサングラスで顔を隠してしまう女性。
モスコウィッツに対しても、その過激さをウザく感じ、大きなサングラスで心を閉ざしかけます。
でもモスコウィッツはミニーのそんな態度をとがめるんだね。
そのことは現実から目を背けて生きて来たミニーの心の扉を叩くことになります。
彼といると、痛い目にあったりする、でもそれも現実。

それまで、レストランで食べ物をオーダーするときもなんだか具体性がなかったミニーが
具体的にものをオーダーするようになる。
ミニーの心の変化を表す指標が、サングラスや、オーダーのしかたというのが面白いな。
 
ミニーの頑なな心が溶け、二人の世界が一気に開けていくときに流れるのが
『2001年宇宙の旅』でも使われていた『美しい青きドナウ』で
なんだか宇宙に向かうような、えも言われぬ幸福感に包まれるから不思議。相乗効果かなw
 
二人が両親とレストランで会うシーンがあるんだけど
これって名前からすると、ミニーのママにカサヴェテスの母、
モスコウィッツの母親をジーナのママが演じてるのかな。
ちなみにミニーの不倫相手にジョン・カサヴェテスね。

人間だれも「理想の人」と結婚出来るとは限らない。
でも「理想」ってなんでしょうね。
たった4日で結婚を決めた、ミニーからすると理想とはかけ離れたモスコウィッツだったけど
エンドロールからは溢れる幸せが伝わりました。
最高にハッピーな映画 大好き!