しまんちゅシネマ

映画ノート

FAIL SAFE 未知への飛行


2000年(アメリカ)
監督:スティーヴン・フリアーズ
出演:リチャード・ドレイファス/ノア・ワイリー/ブライアン・デネヒー/サム・エリオット/ジェームズ・クロムウェル
ジョン・ディール/ハンク・アザリア/ノーマン・ロイド/ドン・チードル/ジョージ・クルーニー/ハーヴェイ・カイテル
 
ジョージ・クルーニー特集 2本目!
今日はシドニー・ルメットの名作を『ハイ・フィデリティ』『クィーン』のスティーヴン・フリアーズ
テレビ版としてリメイクした『FAIL SAFE 未知への飛行
米CBSの特別番組として、生放送されたという驚きの作品です。
 
フェイル・セーフというのは、システム誤作動などが生じたときに、
被害を最小限にとどめるべく工夫しておくという設計思想をいうのだそうです。
 
制御システムのミスから、核爆弾を搭載した爆撃機に、モスクワに核を落とせとの
命令コードが発令され、爆撃機は目的地に向かいます。
ペンタゴン爆撃機パイロットに間違いであることを告げ、ミッション中止を必死に呼びかけるものの
とき既に遅し。
ある領域を超えると、大統領でさえも撤退を命じることは不可能。
命令系統の混乱を回避するフェイル・セーフが機能してしまうのです。

核が投下されれば、全面戦争に突入することは必至とあって
米ソの大統領が、事態の解決を話し合うのですが・・・
 
以下、映画の結末に少し触れる部分があるので
オリジナルともに未見の方はご注意ください。
 
本作が生であることが、一層の緊張感を生みました。
テレビ放映時にはおそらくCMが入ったのでしょうが、
DVDでは1h24分、リアルタイムで時が刻まれるわけです
後30分でニューヨークに・・・という台詞に思わず時計を確認すると、終了の調度31分前。
30分後に何が起こるのかはオリジナルで知っていたので、とにかくそれからが悲しかった。

核を搭載した爆撃機パイロットを演じるクルーニー
ミッション中止を呼びかけるわが子の声に涙を浮かべながらも
投下を実行するというシーンがあります。
彼は自分の子供の声であることを疑ってはなかったはず。
それでもミッションを実行するより他に選択肢がなかった、そこが悲しかったですねぇ。
 
この映画は間違いなく核の脅威を訴え、廃絶を呼びかけるものでしょう。
製作総指揮も勤めたジョージ・クルーニーの意図するところは
エンドロールに核保有国を列記しているところからも感じられました。
その他実力派の役者が勢ぞろい。生の緊張感も感じるところでしたが大したもんです。

ヘルメットやマスクの間から見えるクルーニーの瞳の美しさも印象的
彼は目だけで十分男前よね。惚れちまう~(^-^〃)♪
 
生のテレビ版と侮るなかれ、十分に緊張を感じることの出来る作品でした。