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映画ノート

クルーニー監督新作『スーパー・チューズデー ~正義を売った日~』

 
ジョージ・クルーニーが監督、共同脚本を務めた新作を観て来ました。
2004年の民主党大統領予備選挙に立候補したハワード・ディーンの選挙スタッフが
選挙戦の裏話に着想を得て書いた戯曲の映画化だそうです。
アイズ・オブ・マーチ/The Ides of March(原題)(2011) アメリ
監督:ジョージ・クルーニー
出演:ライアン・ゴズリングジョージ・クルーニーフィリップ・シーモア・ホフマンポール・ジアマッティ-
   マリサ・トメイエヴァン・レイチェル・ウッドジェフリー・ライトマックス・ミンゲラ
 
この映画、まずキャストの豪華さに驚きます。
大統領候補にジョージ・クルーニー
ルーニーの陣営で選挙戦をしきるマネージャーにフィリップ・シーモア・ホフマン
同じくクルーニー陣営のナンバー2となる参謀にライアン・ゴズリング
若くセクシーなインターンエヴァン・レイチェル・ウッド
敵陣営のマネージャーにポール・ジアマッティ
記者にマリサ・トメイ ついでに、製作にはレオナルド・ディカプリオときたもんだ。
 
ルーニー演じるペンシルバニア知事モリスは大統領予備選挙のキャンペーンのさなか
勝利の鍵を握るオハイオ州の獲得に向けスタッフ一同総力をあげている
ランアン演じるマイヤーズは、誰もがその実力を認める、若き実力派
カリスマ性のあるモリス(クルーニー)を信奉し、彼の勝利を信じている
しかしマイヤーズは、選挙戦中に起こるさまざまなことに、その信念を揺るがされることに。
映画は政治の理想と現実のギャップをライアンの視線で描き出します。
 
マイヤーズ役には当初、ディカプリオという話もあったそうだけど、
ライアンで正解だったと思いますね。
自分の信じることに突き進んできたマイヤーズが、理想とするものを失うわけです。
彼の感じる憤りは、他人に向けられる以上に、自分自身に向けらたのではないか。
ライアンのどこか陰湿&ナルシスト的な要素が、
マイヤーズの葛藤を複雑にしているのがよかったです。
 
 
ルーニーはカリスマ性のある大統領候補を好演。
自分についてこいオーラをもった人ですよね。
自身の監督作品で、ちょっぴりダークな一面を覗かせているのも新たな挑戦でしょう。
 
原題のThe Ides of Marchとは、ジュリアス・シーザーが暗殺された
紀元前44年3月15日をさす言葉だそうです。
これは理想の死を意味するのかな。
 
個人的には、選挙にも疎いもので、前半置いてけぼりを食らった感があったけど
中盤からは、政治のプロが繰り広げる、狸のだまし合い的主導権争いや
ひねりの効いたサスペンスを楽しむことができました。
 
社会派クルーニーが暴く、選挙戦の裏側は、私には新鮮な驚きだったわ。
オスカーにどう絡むかも楽しみ。
 
日本公開は未定