しまんちゅシネマ

映画ノート

肉屋

 
1969年(フランス)
監督:クロード・シャブロル
出演:ステファーヌ・オードランジャン・ヤンヌ/アントニオ・パサリア
■感想
も少しクロード・シャブロル追悼しますってことで、今日は日本未公開のサスペンス『肉屋』

前に『エクソシスト』のW・フリードキン監督を怖がらせた最強ホラー映画13本っていうのがあったけど
その13本の中の一本にも選ばれていて、気になっていた作品でした。
 
 
小学校教師エレーヌ(ステファーヌ・オードラン)は、
同僚の結婚式で、肉屋として働く帰還兵ポポール(ジャン・ヤンヌ)と出会い親しくなります。
ある日、子供たちとピクニックに出掛けたエレーヌは、そこで惨殺死体を発見。
このシーンがなんともえぐい
お弁当を食べようと広げたサンドイッチの上にポタリポタリ・・
「先生、雨が」と女の子。
でも、それ赤いじゃん! 血じゃん!!
頭上を見上げると崖の上の惨殺死体から血が滴ってるわけですねぇ。うう

その後も殺人事件は起こるものの、物証を欠き、警察の捜査は難航
しかし、ある秘密を自分の胸に秘めたエレーヌの心は揺れます。
そして、彼女が犯人を確信していく様子が不気味で怖いヾ(≧へ≦)〃
 
 
エレーヌを演じたステファーヌ・オードランは監督の元妻だそうで
シャブロルの多くの作品に出演しています。
ブルジョワジーの秘かな愉しみ』等で英国アカデミー主演女優賞、
ベルリンでは『女鹿』で女優賞を受賞するなど、
実力と美貌を兼ね備えた女優さんですね。
 
犯人探しを楽しむ類の作品ではないし、犯行の動機も「ふーん」な感じですが、
ヒロインの不安を一緒に体験する面白さがありました。
 

鍾乳洞の壁に描かれた絵、パンの上に滴る血、窓から覗き込むポポールなど
視覚的に不安感を搔き立てるのもお上手。なるほどプチホラーな作品でした。