しまんちゅシネマ

映画ノート

石の微笑

 
 
2004年(フランス/ドイツ)
監督:クロード・シャブロル
出演:ブノワ・マジメル/ローラ・スメット/オーロール・クレマン/ベルナール・ル・コク/ソレーヌ・ブトン
ミシェル・デュショーソワ/シュザンヌ・フロン/エリーク・セーニュ
 
■感想
シャブロル追悼
ラストはルース・レンデルの同名原作小説を映画化した、サスペンスです。
 
マジメル演じる青年フィリップは、妹の結婚式の会場で
でブライドメイドを努めたセンタからの熱い視線を感じた。
その日の夕刻、雨に濡れた姿で家にやってきたセンタに誘惑され
二人は瞬く間に恋の炎を燃え上がらせる。
「ねぇ、私を愛してることを証明するために、誰かを殺して」
「!!!何言ってんの 冗談だ よね?」
 ・・・・
マジっすか
 
 
好青年なフィリップ(ブノワ・マジメル)が、サイコな恋人に振り回されるお話ですが
彼女の生い立ちや、地下の部屋、誘拐事件を伝えるTVニュースなどから
なんとも、ジワジワと嫌な怖さが忍び寄るんですなぁ。
 
女手ひとつで育ててくれた母を大事にし(ちとマザコン
妹たちの面倒見もいいフィリップなのに
一人の女に人生を狂わされるのは、なんとも不条理でね。
マジメル君はハンサムなのに、何故かそんな不運な男がお似合いなのよね。
 
センタを演じるローラ・スメットは外観にファム・ファタール的オーラはないものの
ブスかと思うと、暗闇で瞳を輝かせる表情が思いのほか可愛かったりして
幼さと妖しさが同居する不安定さがあって、予測不能な感じ。
 
はったりかぁと思わせて、最後にガクブルの事実を叩きつける
シャブロルのサスペンス的手法もなかなかのもの。
扉を開けるたびに不幸に近づくラスト10分は、さながらホラーでした。
 
ところで、フィリップを尾行する警察が、公園で犬のフンを踏んづけるのは演出?
それとも偶然だろうか?と、どうでもいいことが気になった(笑)
 
日本時間では12月になっちゃいましたが、こちらの時間で11月に滑り込みセーフ
先月と合わせて、5本シャブロル作品をレビューしました。
シャブロルは晩年になっても、精力的に映画を撮っているのに、
日本では未公開、未ソフト化なのは残念ですね。
追悼でぜひDVD化しておくれ~。(誰に言ってるんでしょw)