しまんちゅシネマ

映画ノート

キラー・インサイド・ミー


スリラー大会 1本目
さて、特集トップバッターは
ジム・トンプスンの『おれの中の殺し屋』をマイケル・ウィンターボトムが映画化したスリラーです。

 
キラー・インサイド・ミー 2010年(アメリカ/スウェーデン/イギリス/カナダ)
監督:マイケル・ウィンターボトム
出演:ケイシー・アフレックケイト・ハドソンジェシカ・アルバビル・プルマン
【ストーリー】
保安官助手として働くルー・フォードケイシー・アフレック)は、職場では勤勉で、長年連れ添っている純朴な恋人(ケイト・ハドソン)とは仲むつまじく、住民からも頼られる存在だった。ある日、ルーは娼婦(しょうふ)のジョイスジェシカ・アルバ)と偶然出会って以来、長年封じ込めてきた殺意が爆発。衝動の赴くまま、ルーは暴走を始めてしまう。(シネマトゥデイより)
 
■感想
ジェシカ・アルバ演じる娼婦ジョイスとの出会いが、
保安官ジョシュ、ルー(ケイシー・アフレック)の殺人鬼としての本性を目覚めさせてしまうんですね。
その後ジョイスを愛し、体を重ねあう二人ですが
一方でルーは、ジョイスを手にかける衝動を抑えられない。
 
愛しているのに何故?と思うところだけど
これ以上愛せば、自分をコントロールできなくなるからなのか。
さらには、冒した殺人を隠蔽するために、殺人を重ねることを繰り返す
その行動はとても自己中です。
 
このケイシーは『ジェシー・ジェイムズの暗殺』のロバート・フォードに近い感じかな
一見穏やかなのに、内にサディスティックなものを秘めている
こういう役を演じさせたら右に出るものはいないのでは?
彼の狂気が目覚める瞬間の表情にはぞっとしました。まさに怪演です。

ジェシカ・アルバは笑顔が可愛く、セクシーなところも見せてくれるけど
先日堂々のラジー賞受賞しちゃいましたね。
確かにこの作品でも、お人形みたいなんだよね。
これをもっとうまい人が演じてたらもっと作品が引き締まったかもです。
 
ルーの恋人エイミーにケイト・ハドソン
ルーの本性にだんだん気づきながらも、彼を愛し
葛藤する姿をうまく演じました。

ルーの一人称で話が進むため、周囲の捜査の様子など一切見せません
そのため、気づけば包囲網が張られているという展開に、
ルーと一緒に驚くことになるというのも面白い。

ラストシーンは衝撃的なのに、どこかホッとする気持ちでした。
ノワールな余韻を残すのも魅力。たまらーーん。
 
日本公開は4/16~