しまんちゅシネマ

映画ノート

パリ空港の人々

 
今日はほっこり!!
パスポートを盗まれたことから、空港のトランジットゾーンで過ごすことになる中年男と、
そこに住み着いた人々との交流を描くヒューマンドラマです。

 
パリ空港の人々(1993) フランス
監督:フィリップ・リオレ
出演:ジャン・ロシュフォール/ティッキー・オルガド/マリサ・パレデス/ラウラ・デル・ソル/イスマイラ・メイテ
 
■感想
いや~、ほっこりしました。
パスポートの入った荷物も、靴までも盗まれ、パリ空港に着いちゃったものの
入国を許可されないという憂き目に遭うのが、
たこ踊りを得意とするジャン・ロシュフォール

仕方なくロシュフォールが長いすで一夜を過ごそうとすると
どこからともなく子供が現れ、ベッドがあるからおいでと誘ってくれる
狐につままれたようについていくと、先客あり

ってか住み着いてる!!
どうやら空港内には、そんな人たちが過ごす謎の空間が存在するようだ
 
な~んて感じで展開するのが、もうワクワク
 

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ロシュフォールと先客たちの異文化的交流が楽しいのよね。

でも次第に、パリに入りたくても入れない
国に帰りたくても帰れないなど、その事情が分かってきてちょっと切ない。
世界各国には私たちの想像できないような国の事情があるものね
 
トム・ハンクスの『ターミナル』はこれを元ネタにした作品だったのかな?
 
ロシュフォールは相変わらず飄々として、それでいて優しい。
 
彼らが空港を抜け出し新年を迎えるシーンには胸が熱くなります。
夜明けのパリの街の灯の、優しく美しいこと

かぶさる歌謡曲風の『ラ・ノスタルジー 望郷の詩』がまたたまらん。
 
まさにほっこりのひと時でした
 
空港のお役所仕事な対応を皮肉ってもいるのかな。
今の時代を思うと、移民問題とも重なるわけで、
それはリオレ監督の『君を想って海をゆく』にも通じるところですね。

今度空港を利用するときには、黄色の長靴姿の人を探してしまいそうです。
 
 
あ、奥さんはその後どうなったのかな(笑)