しまんちゅシネマ

映画ノート

イン・ザ・スープ


Cinema de しりとり 3回目 【い】

「い」から始まる映画、これもなぜか、忘れてしまってた一本『イン・ザ・スープ』!

映画作りを夢見る青年と、彼に資金提供を申し出る胡散臭い初老の男との交流を描き、
サンダンス映画祭でグランプリを受賞した、スティーヴ・ブシェミ主演の作品です。

 
イン・ザ・スープ(1992)アメリ
監督:アレクサンダー・ロックウェル
出演:スティーヴ・ブシェミシーモア・カッセルジェニファー・ビールス/パット・モーヤ/ウィル・パットン
   ジム・ジャームッシュ/キャロル・ケイン/スタンリー・トゥッチ

 
■感想
ブシェミ先生が演じるのは、マンハッタンのボロアパートに暮らす青年アルドルフ
彼は隣に住む、美人アマンダを使って、映画を作ることを夢見ていたが、お金がない。
仕方なく、自分の書いた脚本を売りに出そうと、ネットに載せたところ
ジョー(シーモア・カッセル)という初老の男が連絡してきた。
この男、映画の資金も出してくれると言うのだが・・・なんだか胡散臭いぞ
 

これは、映画作りを夢見ていた頃に、監督が出会った、ギャングとの交流が元になっているとのことで
なんと監督自身の実話ベースのお話なんですって。
 
ギャングと言っても、小物のようなんだけど
そう、だから、この映画でもパトロンを申し出るシーモア・カッセルが、たらと胡散臭く、
ブシェミ先生は、犯罪に巻き込まれていくことになるんですね。
でもね、二人の交流が、なんかほのぼので、
だんだんにその男同士の友情にほろりとさせられるのです。
 

若きブシェミ先生は、こういう役ピッタリすぎるよ。
白いシャツをパリっと着ると、なんかカッコいいよね。
隣の美人住人を演じるのが『フラッシュダンス』のジェニファー・ビールス
なんと監督さんの実生活の元妻だったのね。
 
あ、極めつけは、ジム・ジャー・ムッシュ
お金に困ってヌードモデルになってしまうブシェミ先生を雇う、怪しい会社のディレクター役w
 
全編モノクロで描かれる本作は、出演者たちが、面白おかしく
それでいて、どこか寂しいペーソスもあって、でも温かい。
最後に、この映画をジョーに捧げる となってるのが泣かせます。
こういうの大好きです。
 
ちなみにタイトルの【In the soup】というのは
【ツボにはまる】と言う意味があると、書いてる人が多かったです。
でも私が調べたインディオムサイトでは【トラブルに巻き込まれる】となってました。
両方の意味があるのかも。