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映画ノート

【映画】スポットライト 世紀のスクープ

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スポットライト 世紀のスクープ(2015)アメリ
原題:Spotlight
監督:トーマス・マッカーシー

【あらすじ】
ボストンの地方紙ボストン・グローブのスポットライトチームは、新任のボスの提案で、ローマンカトリック教会による少年性的虐待事件の追跡を始める……。



昨日はトーマス・マッカーシー監督による話題の新作『スポットライト』を観てきました。

バッド・エデュケーション』という映画で、神学校の司教が生徒を性的に虐待する様子が描かれてましたが
こういう問題は実はずっと昔からあって、時々逮捕者が出ることがあってもあまり表だって問題にされないんですね。

新任ボスの一言でこの問題を調べることになるのが、ボストンの地方紙のスポットライトという調査チーム。

驚くのがね、ボスのリーヴ・シュライダー含むたった6人が、世界中を震撼させるキリスト教会の大スキャンダルを暴くことになること!

四面楚歌の中足を使って地道に真実に迫っていくスポットライトのメンバーが、次第に正義感に突き動かされ
ジャーナリズムを極めていく姿がカッコいいし、彼らが暴くものにも興奮させられます。
被害者加害者、それらを支える組織やシステムなど、さまざまな立場や角度から問題を炙り出すストーリーテリングも見事。

その一方で敬虔なクリスチャンはこれをどう見るだろうと心配にもなります。
神の代弁者として絶対の信頼を置いていた司教たちがあんなことや、こんなことしてたなんて

特に同時多発テロの時期と重なったので、支えを失ったボストニアのショックは大きかったでしょうね。

ほとぼりが冷めかけたところで、この映画でまた注目を浴びるであろうカトリック教会もちとお気の毒・・
でもジャーナリズムの目が悪を抑止すると考えれば、それも意味あることかな。

監督は『扉をたたく人』のトーマス・マッカーシー
やっぱり社会派ドラマで力を発揮する監督さん。

マーク・ラファロマイケル・キートンはじめ役者陣のアンサンブル演技が素晴らしい。
中でも好きだったのは被害者を支援する弁護士を演じたスタンリー・トゥッチ(髪あり)。
声を上げることを半ば諦めていた彼が、ラファロ演じるマイクの情熱に希望を見出し始める
繊細な心の変化を上手く表現してました。

関係ないけど、途中ラファロがハルクに見えて仕方なかったよ。髪型のせい?
オスカーにどう絡むのか、注目の一本ですね。