しまんちゅシネマ

映画ノート

恐怖の足跡

 
体感温度を下げろ! 納涼ホラー祭り 3本目
さてさて、お盆も近いということで、ホラー関連一気にいっときます。
今日はカルトの名作として、ホラー映画ファンから絶大な支持を得ているらしい『恐怖の足跡』
恐怖の足跡 (1961)アメリ
監督:ハーク・ハーヴェイ
出演:キャンディス・ヒリゴス/シドニー・バーガー/フランセス・フェースト/ハーク・ハーヴェイ
 
スピードを競い、2台で橋を併走していた車の一台が誤って川に転落。
捜索空しく、車も遺体もみつからなかったが、事故から3時間が過ぎる頃、
助手席に乗っていたメアリーが岸にたどり着き、救出された。
事故を忘れるため、新天地で生活を始めるメアリーだったが
車から青白い顔の男の姿を見て以来、彼女はその男の幻影に悩まされることに・・・。
 

 
 

淡々として、かつ幻想的な作品でした。
事故から生還し、新たな土地でオルガン弾きの職も得るのに
メアリーは人と深く付き合おうともせず、その表情はいつも虚ろ。
不気味な男の幻影は、次第にメアリーの心に巣食い、生活を侵食し始めます。
 
 
 
 

ここからネタバレ的な部分を書きますので、未見の方はご注意ください。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
これね、『シックスセンス』的オチが準備されていて、
いわゆる「主人公はすでに死んでいた」というお話しなんですね。
だから、ヒロインが自分の居場所を探すお話でもあり
次第に、ヒロインがその存在を失っていく様子が切ないんだわ。
 
 
孤独なヒロインを惹きつけるのは、廃墟となったダンスホールの跡で
そこでメアリーが目にするのが死人たちのダンスシーン
原題のCarnival of Souls、魂たちのカーニバルというわけです。
 
この映画がカルトと呼ばれる理由のひとつに、
多くの映画人に影響を与えたということがあるみたい。
魂のダンスシーンは、ロメロの『ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド』だし
シックス・センス』のシャマランは勿論のこと、
リンチの『マルホランド・ドライブ』もこの流れですよね。
時々背筋がぞっとするようなシーンもあるけど
恐怖映画というよりは、黄泉の世界へ向かうヒロインに切なさを感じる
幻想的で悲しい映画でしたね。
 

ちなみに不気味な男を演じてるのは、監督自身だそうですよ。
怖すぎ。 てか、ちょっと笑えるw