しまんちゅシネマ

映画ノート

マネーボール


 
10月トップバッターは、東京国際映画祭関連から
メジャーリーグの貧乏球団を独自の理論で常勝球団に育て上げた実在の男の半生を
ブラッド・ピット主演で描くドラマ『マネーボール』です。
 
マネー・ボール(2011) アメリ
監督:ベネット・ミラー
出演:ブラッド・ピットフィリップ・シーモア・ホフマンロビン・ライトジョナ・ヒル
 
 

東京国際映画祭の特別招待作品としてクロージングを勤めるのが本作。
 
ブラッド・ピット演じるのは、アメリメジャーリーグジェネラルマネージャー ビリー・ビーン
彼の所属するアスレチックスは弱小ゆえに貧乏、この年スター選手3人を失い、お先真っ暗という状況だったんですね。
年寄株の役員たちの意味のない会議にフラストレーションを募らせる折、
ピーター・ブランド(ジョナ・ヒル)というデータ分析に長けた男との出会いをきっかけに
勝てる野球「マネーボール理論」を打ちたて、チーム改造に臨む・・というお話。
 
データを分析し、チームのまかなえる範囲でトレードを行い
レーニングにもデータを取り入れる
すると、負けることが当たり前になっていたチームが徐々に勝ち始めるんですね。
その快進撃には、スポ根ものらしい面白さがあります。
 
でもブラピの演じるビリー・ビーンという男は、自身もプロ野球選手あがり
期待され球界に入ったものの、思うように結果を残せなかったという背景がある。
私生活では、妻(ロビン・ライト)と離婚し、時々会う娘を心から愛している。
力を発揮できない辛さも、家族を守れない悲しみも、実は誰よりわかっている。
それゆえにジレンマにも襲われるわけで
ブラピはそんな主人公を繊細に演じていて、とてもよかったです。
 

ジョナ・ヒルはエール大卒のオタクというのは、ちょっと「?」ながらも
ブラピのキューで、ポンポンと数字が飛び出すのも楽しく、
クールなキャラながら、ときどき彼らしい笑いを(地味に)提供してくれました。
 
 
チームの監督を演じるホフマンは、これまた地味で、彼じゃなくてもと思うところだったけど
考えたら『カポーティ』の監督さんだし、その繋がりだったんでしょうね。
球団の意向に背けないけれども、人間としての温かみのある役柄を静かに演じてました。
 
まぁ、とにかくブラピが出ずっぱりで、「素」の顔を見せてくれるわけですから
ファンにはたまらない作品だと思いますね~。
彼を支えているのは、実は一人娘の存在だけというのも切なくてね。
孤独なブラピに胸キュンな作品でした。
 
【追記】 
あと、これは野球映画と思われそうだけど、試合のシーンは殆どありません。
なので純然たるスポーツものではなく、
お金がないチームでもここまで頑張れるというのを見せる映画であり、それに挑戦した男のドラマです。
だから、野球よくわからないという方も楽しめますよん。
 
 
日本公開は11/11~
 
 イメージ 5 記事が参考になりましたらポチンとよろしく。ヽ(。・ω・)ノ゛☆さんきゅ