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映画ノート

【映画】『フューリー』戦車戦の臨場感に震え5人の絆に泣いた




ブラッド・ピット新作『フューリー』観てきました。
客層がいつもと違って兵士あがり風な男性が多かったのが印象的だったな。
フューリー(2014)アメリ
原題:イギリス
監督:デヴィッド・エアー
出演:ブラッド・ピットシャイア・ラブーフローガン・ラーマンマイケル・ペーニャジョン・バーンサルジェイソン・アイザックススコット・イーストウッド
日本公開:2014/11/28
第二次大戦末期、敵地でナチス・ドイツに立ち向かった戦車兵士5人の奮闘と絆を描く戦争映画です。
製作が決まった頃から、じゅりさんが主演は誰かなと気にしてましたが、戦車の司令塔であるブラピは確かに主演ですね。ただし、新人兵士ノーマンを演じるローガン・ラーマンとダブル主演といったところかな。

 冒頭、一人の兵士が戦車フューリー号の中で死んでいる。
その手を握ったまま離そうとしないシャイア君をブラピが引き離し、クルーたちは悲しみに打ちひしがれています。戦車は一台に5人が乗り込み、それぞれに役割を果たしながらチームで戦っているんですね。
死んだクルーの代わりに送られてくるのがローガン・ラーマン演じるノーマン。
チームワークが鍵となる戦車戦に未熟な新人兵士をあてがわれたことに激しく動揺するブラピの心情は、
戦車戦がいかにチームワークとスキルを要するものであるかを見れば納得します。
フューリー号を率いるウォー・ダディことブラピの最大の使命はクルーを生きて帰らせること。
クルー4人の命が司令塔の肩にかかっているのです。



デヴィッド・エアー監督が極限の状況をリアリティと緊張をもって描くことのできる監督であることは『エンド・オブ・ウォッチ』で証明済。男のドラマにも定評があり、敵地を舞台にした戦争映画である本作は、まさに監督の本領発揮の一本となりました。

監督は何千もの戦争の写真を見て、読み取った戦場の空気と歴史の一端を描こうとしたのだとか。
薄暗い空の下、ボロボロの雑巾のように傷ついた兵士たち。
そこに漂う疲弊感や焦燥感に、本作がこれまでの勢いだけの戦争映画とは別物であることが窺えます。
明日をも知れない命だからこそ、運命を共にする男たちの絆も強いわけで
ブラピの役割が単にチーム・リーダーと言うだけでなく、父親的だったことも印象的。
メンバーは仲間と言うよりも家族に近い感じかなぁ。
ブラピはまさにキャリア中、最高の演技。人知れず苦悩する姿にキュンとした。
成長していくローガン・ラーマンも本当にうまいですね。
他のクルーメンバー、シャイア・ラブーフマイケル・ペーニャジョン・バーンサルもそれぞれの役割を果たしていて、映画の進行と共に5人のチームワークと絆に胸が熱くなること必至。
国を勝利に導くとか、ナチスドイツを倒して平和な世界平和を願うとかそんな大義名分は一切なく
ひたすら生きるために、仲間を生かすために戦う、それこそが戦場の真実だろうと思います。


戦車からは視界が限られているため、敵がどこから現れるか分からないのが本当に怖くてね。
300の敵とたった5人で対峙するクライマックスの緊張は半端なし。
これはぜひ劇場で。