しまんちゅシネマ

映画ノート

テイク・シェルター

 
 
バレンタインも終わったので、今日からオスカー&インディペンデント・スピリット(I・S)賞関連でカウントダウンを盛り上げます。
 
まずは、惜しくもアカデミーからは嫌われたものの、
I・S賞でマイケル・シャノンの主演男優賞獲得に期待がかかる本作。
大災害発生の恐怖に囚われた男を描く心理スリラーです。
 
テイク・シェルター(2011)  アメリ
監督:ジェフ・ニコルズ
出演:マイケル・シャノンジェシカ・チャステインシェー・ウィガム
   ケイティ・ミクソン/キャシー・ベイカ
 
 
 
マイケル・シャノン演じるのは工事現場に働くカーティス。
聴力障害のある娘がいて裕福ではないが、家族三人幸せに暮らしてる。
ところがある日を境に、カーティスは悪夢に悩まされる。
黄色い雨が降り、竜巻様の暗雲が立ち込め、何ものかに襲われる夢。
恐れをなしたカーティスは、避難用のシェルターを作りはじめるが・・・。
 
 
 

愛するもの、守るべきものができると、人は失うことを恐れはじめる。
この作品は監督が結婚してまもなく製作を思い立ったらしいですが
家族を得たことで、まさにそれまでに感じたことのない
不安を覚えるようになった監督の思いが投影された作品といえるでしょう。
 
主人公カーティスには、10歳のときに離れ離れになった母親がいます。
精神を病み、母親としての役割を果たせないまま家を捨てた母親の存在は
カーティスのトラウマとなり、その子供であるという事実が彼の心を騒がせるわけです。
 
自分は狂っているのか?
母親と同じように、家族を失ってしまうのか。
 
不安に駆られながらも愛する家族を守りたいと思う男の
葛藤と恐怖、不安の描き方が緊張を生む展開が面白い。
マイケル・シャノンはこういう異常性のある人間を演じさせたらピカ一です。
 
 
 
さて、カーティスの夢の結末は・・
というのは、ぜひ観てご確認ください。

ジェシカ・チャステイン
が不安におののく妻を好演しています
 
日本公開は3/24