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映画ノート

湖のほとりで

今日もイタリア映画祭のキーワードで 2008年のイタリア映画祭出品作品からカリン・フォッスムの「見知らぬ男の視線」を原作とするミステリー作品です。
湖のほとりで 2007年(イタリア)
原題:La Ragazza Del Lago
監督:アンドレア・モライヨーリ
出演:トニ・セルビッロバレリア・ゴリノオメロ・アントヌッティファブリツィオ・ジフーニネッロ・マーシャマルコ・バリアーニアンナ・ボナイウート

【ストーリー】北イタリア、田舎町の湖のほとりで美少女アンナの遺体が発見される。村に引越してきたばかりの刑事サンツィオは、捜査を進めるうちに村人たちの人間関係や家族問題などに直面するが、自らも若年性認知症を患う妻との生活に悩みを抱えていた。(映画.comより)  


冒頭、道を行く女の子のそばで赤いピックアップトラックが停まる。
何か言葉を交わしたあと、その子はトラックに乗り込んだ。
まもなく、女の子が戻らないと騒動になり・・誘拐事件の幕開け!と思いきや女の子はあっさり見つかり、
少女の足取りを辿って向かった湖のほとりで 17歳のアンナの美しい全裸死体が発見された。



北イタリアの静かな村を舞台にしたミステリー作品です。
アンナは誰に、何故殺されたのか。

 ベテラン刑事サンツィオの指揮で、村人への聞き込みが始まります。
猟奇性があるわけでもなく、ドキドキの捕り物劇を見せるでもない。
サンツィオを演じるトニ・セルビッドも別段面白みもないのだけど、
彼のストイックすぎるほどの捜査は、村人たちのそれぞれの秘密に迫り、
やがて意外な犯人を見つけて終わります。

殺人事件の捜査を追う作品なのに、映画が終わる頃には、
不思議と穏やさに心が満たされる。
それは、登場人物それぞれの愛や、それゆえに生じるやるせなさをひっくるめ、
作り手の、人を見つめる目線の温かさを感じるからでしょうね。 

事実を受け止め、受け入れることで、心の平穏を得ることもあるのだというラストシーンも清々しい。
いい作品でした。



ちなみに、こちら冒頭に登場する女の子と、第一村人マリオ。
マリオの抱いてるウサギが大きくてビックリしたんですよ。
こんなのが庭に集結したら怖いがな(笑) ★★★★