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映画ノート

遠い空の向こうに

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遠い空の向こうに (1999)

原題:October Sky
監督:ジョー・ジョンストン
出演:ジェイク・ギレンホール / クリス・クーパー / ローラ・ダーン / クリス・オーウェン / ウィリアム・リー・スコット / チャド・リンドバーグ / ナタリー・キャナディ

 

寂れた炭鉱の町
小さな光となって夜空をかけるスプートニクを見上げ、ホーマー少年はロケット作りの夢を抱く。

後にNASAのロケット・エンジニアになったホーマー・ヒッカムの自伝を基に
友人とともにロケット作りに励み夢を実現させる若者の成長を描く青春ドラマです。

ホーマーを演じるのはジェイク・ギレンホール
友人と協力し、試行錯誤する様子が楽しくて、もの作り好きの心をくすぐられます。
しかし小さな炭鉱の町で炭鉱夫として責任を担う父にロケット作りを反対され道は険しい。
一度は火災の犯人として逮捕の憂き目に遭ったりもしますが
ホーマーがしたことは独自で数学を学び容疑を晴らすのです。
数学は必要から生まれる学問なのだとあらためて感心しますね。

頑固な父親を演じるクリス・クーパーもいい。
親を超えて成長する息子は眩しすぎて、父親は自分が小さな人間に思えてしまうのかもですね。
父として男として葛藤しながらも、本心では息子の成長を願っている。
ホーマーにしても、父に認めてもらうことは、挑戦し続けることの原動力にもなったはずで、結局は互いを信頼しあう父子に感動するのです。




恩師(ローラ・ダーン)によって道が開かれ、力を貸してくれる大人がいて、
家族の支えと、夢を分かち合う友がいて、初めて夢は現実となる。
小さな手作りロケットが空高く舞い上がる瞬間の感動は半端なかった。

傾きかけた炭鉱産業の町に生まれ、将来を葛藤しつつ、
夢を追いかけ続けたホーマーの成長にも胸が熱くなる珠玉の一本です。