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映画ノート

【映画】『アメリカン・スナイパー』

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アメリカン・スナイパー (2014)アメリ
原題:American Sniper
監督:クリント・イーストウッド
出演:ブラッドリー・クーパーシエナ・ミラー/ジェイク・マクドーマン/ルーク・グライムス
日本公開: 2015/2/21

ネイビーシールズのメンバーとしてイラク戦線で活躍した伝説のスナイパー、クリス・カイルの回顧録ブラッドリー・クーパー主演、クリント・イーストウッド監督で映画化した一本。

アカデミー賞の作品賞、主演男優賞など6部門にノミネート
土壇場になってイーストウッドが存在感をみせますね。

予告が面白そうだったので初日に観てきました。
米軍史上最高のスナイパー、クリス・カイルを一回り大きく身体を作り込んだブラッドリー・クーパーが演じます。カイル氏は255人に上るイラク軍やアルカイダを射殺し、その正確さからも伝説とされる方。
映画はカイルの射撃の凄さをひたすら見せます。見せます。見せるんですが・・
正直途中から帰りたくなりました。

銃撃シーンが長いんですよね。
勿論それが戦争のリアリティだと思うのだけど、カイルの腕を見せる部分は所詮個人プレイなので
戦場での仲間同士の繋がりとか、作戦とか、葛藤とかを期待していた私にはちょっとあてがはずれました。
正義のために命をかけた愛国心の塊のような男が、4回の出兵ごとに徐々に戦争に心を蝕まれていくのはやるせないですが、それもどうしても『ハートロッカー』の二番煎じに感じてしまうしね。
 
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終盤カイルの心のひずみが表面に現れ始めてようやく面白くなります。
彼は戦場で戦ったのと同じぐらい、家庭復帰することにもがくことになる
ま、でも気がつけば乗り越えていたというか(汗)
その過程をもう少し丁寧に描いて、家族の力にフォーカスしていたらもっと良かったと思うのだけど
妻を演じたシエナ・ミラーの活躍がもうひとつ見えてこないのは残念でした。

とは言え、最後には実話の重みをずっしり感じ余韻に浸ることにはなるので、鑑賞後感は悪くない。
ただ、イラクを舞台にしながら、ポリティカルな視点をまるで入れない戦争映画ってなんだろうと
ちょっと複雑な気持ちになりました。
関係ないけど赤ちゃんが人形だったのはちょっと白けたよ(笑)
 
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