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映画ノート

15歳、アルマの恋愛妄想

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15歳、アルマの恋愛妄想(2011)ノルウェー
監督:ヤンニッケ・シースタ・ヤコブセン
出演:ヘレーネ・ベルグスホルム、 マーリン・ビョルホフデ、 ベアテ・ステフリング、 マティアス・ミーレン、 ヘンリエッテ・ステーンストルプ
トライベッカ映画祭で最優秀作品賞を獲得したノルウェー発の思春期ドラマです。

舞台となるノルウェーの片田舎の風景が、ウェス・アンダーソン風に紹介された後
いきなり画面は15歳の女の子のマスタベーションシーンを映し出します。
思春期の性の主役は男の子と相場が決まっているだけに
このシーンは何気にショッキング。

でも、女の子だってムラムラするし妄想もする。
映画はこれまであまり描かれてこなかった思春期の女の子の性への目覚めを通し
アルマの成長を描きます。

想いを寄せる男の子との間に起きたある事件から、アルマが学校で孤立してしまうのだけど、
「普通と違う」ことが虐めの原因になるなど、田舎町特有の閉塞感が描かれていて興味深いし
虐め問題の解決や、心の揺れからどう抜け出すのかをちゃんと描いているところに
思春期ドラマとして見ごたえがありました。




アルマを演じたヘレーネ・ベルグスホルムは、無垢さと大胆さを併せ持ち
子供から大人への過渡期にある少女の揺れを見事に演じてとってもフレッシュでした。
なんと、アルマ役はじめ、若者の殆どが地元で募った素人というのだから驚きです。

アルマの周囲の人間が、アルマ以上にユニークで笑いどころもあり。
ポスターのシーンを怪訝そうに見る犬の表情から笑えましたw