しまんちゅシネマ

映画ノート

【映画】プリデスティネーション



イーサン・ホーク主演の作品は何故か観たくなるよね。
ロバート・A・ハインラインによる短編小説「輪廻の蛇」を『デイブレイカー』のマイケル&ピーター・スピエリッグ兄弟が映画化したタイムパラドックスSF『プリデスティネーション』をDVDで観ました。


プリデスティネーション(2014)オーストラリア
原題:Predestination
allcinemaデータ


イーサン・ホーク演じるバーテンダーは、ある晩店にやってきたディカプリオ似の若者の数奇な生い立ちを延々と聞くことになります。
「お前の人生をめちゃくちゃにしたそいつに仕返したくないか」と持ちかけるイーサン。
そいつの居場所もわかると言われ、戸惑うディカプリオ(似)。

なんとイーサンは未来から来た時空警察のエージェントで、
彼はある条件付でデカプー(似)に復讐の機会を与えると言うんですね。
かくして過去の ある時間にタイムトラベルするイーサンとデカプー(似)
2人はここでとんでもない事実を知ることになるんですが・・・


えっと、わざわざディカプリオ(似)と表現するのにもちと訳がありまして
要するに何を言ってもネタばれしちゃう系なんだわこれ。
なのでこれ以上ストーリーにも触れませんが、
これだけ複雑に絡み合ったタイムパラドックスものも珍しい。
一から十まで訳ありでサプライズ、ツイストだらけのとってもユニークな作品に仕上がってます。

原題Predestinationをそのまま訳すと「前もって決められていた運命」、すなわち「宿命」
聖書の言葉を使うと「運命説」ってことになるらしい。
原作短編小説のタイトルのほうも邦題が『輪廻の蛇』、原題は『All You Zombies』と、それぞれ言い表していて唸るものがあるんですよね。
決してゾンビ映画ではないですが、「ゾンビ」の響きがとても切ない。
まぁ、私がつけるとすると「ニワトリが先か卵が先か」になりますけどねw


監督の前2作に比べると恐らく一番低予算でスケールは小さいものの
レトロなSFの映像表現に独特のセンスを感じます。
アイデンティティにこだわるところは、監督が双子ちゃんということも関係あるかな。


ジェーンを演じるオーストラリアの新進女優セーラ・スヌークの存在感も素晴らしい。
ところどころ必然性が分からないところがあったので、見直してみよう。
二度観ると運命に翻弄される者たちの細かな心理が分かって、さらに面白いだろうと思います。