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映画ノート

【映画】『ハッピーボイス・キラー』・・・なんでハッピー??


ハッピーボイス・キラー(2014)アメリ
原題:The Voices

監督:マルジャン・サトラピ
日本公開:2015/9/19



あらすじ
バスタブ工場で働くジェリー(ライアン・レイノルズ)は仕事仲間のイギリス娘フィオナ(ジェマ・アータートン)をデートに誘うがすっぽかされた。落ち込んで帰宅途中、車のエンコで立ち往生のフィオナを発見・・

感想
ペルセポリス』『チキンとプラム ~あるバイオリン弾き、最後の夢~』のイラン人監督マルジャン・サトラピによるファンタジックなスリラー。

キュートでポップな首チョンパ・スリラーと紹介されてますけど
邦題にほだされ、軽いノリで観ると結構打ちのめされます。



いや、実際首チョンパはあるし、犬猫は喋るし(猫が可愛い!)
ジェマ・アータートンアナ・ケンドリックが歌って踊ってくれるのは楽しい。

でも・・
声の正体など詳細には触れずにおきますけど、
これ背景になる部分が物凄く深刻で重いんですよね。
だから話が進むにつれ、「コメディにしちゃだめジャン」と複雑な気持ちになってしまうんです。



能天気に見えても瞳の奥に悲しみを湛え、自分の中の善と悪と戦うジェリーを演じたライアン・レイノルズはなかなか良かったし、首だけになっちゃったアータートンやアナ・ケンドリックもスリラーを盛り上げた。
現実と幻想のギャップなどの見せ方も面白く、映画として普通に楽しめるんですけどね。
肝心な部分を伏せるので説明しにくいんだけど、シリアルキラーとの関連性については疑問を感じるところでした。

唐突に思えるエンディングも楽しい。でも何故か切なくて泣けたな。