【映画】『獣は月夜に夢を見る 』家族の秘密は村の秘密
獣は月夜に夢を見る(2015)デンマーク/フランス
原題:Nar dyrene drommer/When Animals Dream
監督:ヨナス・アレクサンダー・アーンビー
脚本:ラスムス・ビルヒ
出演:ソニア・スール / ラース・ミケルセン/ ソニア・リクター/ ヤーコブ・オフテブロ/ ティナ・ギリング・モーテンセン
日本公開:2016/4/16
【あらすじ】
デンマークの小さな村で両親と暮らす少女マリー。母はある病気を抱えていたが、父はそのことについて何も教えてくれない。ある日、マリーは職場で知り合った青年ダニエルと恋に落ちるが、時を同じくして身体に異変を感じるようになり・・
【感想】
昨日、わが地方ではまたしてもひょうが降りました。
今回はピンポン玉くらいもあって横なぐりに降ってきたため、窓ガラスまで割れちゃいましたわ。
前回のストームで結局屋根を全部葺き替えることになったのだけど、業者も手が回らないようでいまだ着工できずにいます。なんとか無事にストームシーズンを切り抜けたいものです。
さて、映画ですが
今日はまもなく日本でも公開の『獣は月夜に夢を見る』を。
冒頭、病院で医師の診察を受ける主人公のマリー。
異常はないようなのに、医師は次の診察日を告げます。
家には身体が不自由な母親がいて父と3人つましい暮らし。
普段は母にも優しく接するマリーですが、新しい職場でつらい目に遭い
つい、ストレスを爆発させる。
彼女は自分の体に起きている異変にも戸惑っているのです。
マリーに何が起きているのか?母親の病気との関連は?・・
と書くと、難病ものと思われそうですがちと違う。
いや、実際それに近い描き方でもあるんですが・・
これ以降は少しネタバレで書きますので続きを読まれる方はご注意ください。
実はタイトルからも想像できるように、マリーの異変とは狼のような獣に変身してしまうこと
早い話が狼少女です
こんなところに毛が・・
しかしながら監督はジャンル映画に興味はなく、本作はあくまでも思春期の少女の物語とのこと
だからマリーは『ぼくのエリ』みたいに、渇きのために人を襲うことはしない。
変身は怒りのメタファーであり、姿は変わってもそこにいるのはマリーなんです。
マリーを演じたソニア・スールは高校生のときに監督に見出されたようですが
映画と同じく若者のほとんどが水産工場に就職するという漁村に生まれ、ソニアも実際に水産工場に勤めているのだとか。この作品でその後の人生変わったかな。
マリーのお父さんを演じるのは名優マッツ・ミケルセンの兄ラース・ミケルセン。
実はミケルセン兄目当てで見たんですが、なかなかに穏やかで渋い演技でした。
田舎町の閉塞性と残虐性、マリーの苦悩やほのかな愛が描かれ、静寂感のある仕上がり。
背景に常に風の音や物音がしたり、音楽を風の音のように響かせる演出も印象的。
家族の秘密は村の秘密だったというのが面白かった。
動画はちょっと見せすぎだと思うので、ご覧になる方は気を付けて