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映画ノート

【映画】ラビング 愛という名前のふたり

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ラビング 愛という名前のふたり(2016 アメリ
原題:Loving
監督/脚本:ジェフ・ニコルズ
出演:ルース・ネッガ/ジョエル・エドガートン/ウィル・ダルトン
日本公開:2017/3

【あらすじ】
白人と黒人のカップル、リチャードとミルドレッドは妊娠を機に結婚を決意するが・・


ジェフ・ニコルズの新作です。
黒人差別の残る50年代のアメリカ、ヴァージニア州で、州の禁じる「異種族結婚」に立ち向かった白人と黒人のカップルを描く実話です

妊娠を機に結婚した二人ですが、ある日、二人が眠るベッドルームに保安官や警察が押し掛け
州法を破ったかどで夫妻を逮捕し牢屋に入れてしまうんです。
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就寝中だったミルドレッドは着替えも許されないまま連行され、保釈時も寝間着のままだったのには気の毒すぎて言葉が出ません。そんな娘を目にしても何も言えない両親の悲しい顔も忘れられない。
黒人は黙って耐えるしかない。これが50年代のヴァージニア州の現実だったんですね。

二人はそれでも結婚を諦めません。
冒頭に書いたように「異種族結婚」に立ち向かったというのは、差別問題に取り組んだ活動家の話のように思われそうだけど、決してそんな風ではない。
彼らは静かに、一緒にいられる術を自然体で模索するんです。
タイトルのLovingは彼らの性でもあるんですが、もちろん愛し合う二人を表してもいるんでしょう。
そんな二人が法律までも塗り替えてしまうのには感動します。
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エドガートンは怒りや焦燥感を言葉にすることなしに、真摯に妻子を愛する誠実な演技
逆境に耐え、夫を全身全霊で信頼し寄り添うミルドレッドを演じたルース・エッガは特に素晴らしく
2人そろって前哨戦のいくつかで主演男優賞、女優賞にノミネートされてますね。

ちなみにこちらが本物のラヴィング夫妻
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ジェフ・ニコルズにしては緊張感でピリピリするところもなかったですが、彼らの姿勢はムーブメントの貴重な一歩。実話ならではの重みがありました。
ブロードキャスト映画批評家協会賞、サテライト賞で作品賞にノミネートされています。

ジェフ・ニコルズ作品なのにマイケル・シャノンは出てないの?と思ったらやっぱり出てきました(笑)



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