ピアニスト

２００１年（フランス／オーストリア） 監督：ミヒャエル・ハネケ 原作：エルフリーデ・イェリネク  出演：イザベル・ユペール／ブノワ・マジメル／アニー・ジラルド／アンナ・シガレヴィッチ 【ストーリー】ウィーン。小さい頃から母親に厳しく育てられたエリカ。40歳を過ぎてウィーン国立音楽院のピアノ教授となった今でも母と二人暮らし。ある日、エリカは私的な演奏会の席で青年ワルターに出会う。彼のピアノの才能に特別な感情を抱くエリカだったが、ワルターもまたエリカに惹かれていた。エリカに近づくため音楽院に入学し彼女の生徒となったワルター。ある日、トイレで二人は急激に接近することになるが。。

■感想
ハネケに挑戦。（勝手にシリーズ化？w）　今回で３作目になります。
難しい～！！（泣）

作品はハネケらしく、事実が淡々と描かれていくんだけど、観始めてすぐに
主人公中年ピアノ教師エリカの異常な性癖が明らかになっていきます。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　↑いい男！！

美青年の生徒さんワルター君に誘惑され、燃え上がるかと思いきや、
エリカの【お願い】から自体は妙な方向に。。

この作品で監督が描こうとしたものはなんだったんだろう。
【倒錯した性】？
エリカの愛の世界観って必ずしも現実的ではない。
母の期待に応えるべく、ピアニストになることだけを目標としてきたエリカ。
母親は結局音楽学校のピアノ教師に成り下がった娘を馬鹿にしているところが見えたりもするんだけど、
この母子関係もまた複雑なのです。父親不在の家庭というのもポイントかな。

ワルター君との関係も支配と服従の関係が次々に変わっていくんですが・・・。
そこにエリカの本質が見えるような気がします。
そうこうするうちに、ちょっと衝撃のラストを迎えます。o(*￣○￣)ゝ

エリカのもつ理想の世界は現実からは逸脱したもの。
でも、現実のものとなることを一番怖がっていたのは、実は彼女自身だったのかもしれません。

あー、覗いちゃいけないものを覗いちゃった。そんな感じの映画でした。

カンヌでグランプリ。エリカとワルター君は揃って女優賞、男優賞を受賞。

壊れいくエリカを演じたイザベル・ユペールは確かに凄い！！

★★★＊☆