裏窓

１９５４年（米）監督：アルフレッド・ヒッチコック出演：ジェームズ・スチュワート／グレイス・ケリー／レイモンド・バー／セルマ・リッター／ウェンデル・コーリイ【ストーリー】カメラマンのジェフは足を骨折し、ニューヨークはグリニッチ・ヴィレッジのアパートで療養中。身動きの取れない彼にとって退屈しのぎの楽しみは、窓から見える中庭と向いのアパートの住人たちを眺める事だけ。だが、その中で、セールスマンの夫と激しい口論をしていた病床の妻の姿が見えなくなった事に気づいた。セールスマンの様子を窺う内に、ジェフはその男が女房を殺したのではないかと推測、恋人のリザと看護人ステラの協力を得て調査を始めるのだが……。

■感想

ヒッチコックのサスペンスの名作「裏窓」

「ディスタービア」に似てるということで観てみました。

なるほど、似てるのは設定ですね。

カメラマンである主人公ジェフ（ジェームズ・スチュワート）は骨折のため自宅で療養中。
退屈しのぎに裏窓からアパートの住人の様子を窺うことが、密かな楽しみとなっていました。

そこで目撃してしまう向かいのセールスマンの不振な行動に「妻殺し」の疑惑をもち、
双眼鏡で覗きながら、その確信を深めていくのです。

ジェフの協力者となるのが恋人リザと看護人ステラ。

リザを演じるのはグレイス・ケリーです。美しい～。彼女の映画はあまり観たことがなかったのですが、
カンヌ国際映画祭で知り合ったモナコ公王と結婚し、モナコ王妃となったというのは知ってます。

また、妊娠をマスコミから隠すためにエルメスのバッグでお腹を隠し、
そこから「ケリーバッグ」という名前がついたのも有名な話しですね。

このリズとステラが動けないジェフの替わりに行動し、ハラハラドキドキな展開を見せてくれるのです。
このあたりも「ディスタービア」に似てますが、古い作品ながら、その緊張感はこちらも負けてません。
犯人が裏窓から覗くジェフの存在を意識し始めてからの怖さはには縮み上がってしまいました（何が？w）

サスペンス部分だけでなく、ロマンス的にも楽しませてくれます。

主人公ジェフはリズとの結婚を迷ってました。奇麗なドレスに身を包み、いかにもお嬢さん育ちのリズが、
過酷な場所での勤務を強いられるカメラマンの妻となるのは難しいと考えていたからです。

リズを見てたら、確かに「無理だね～」と思うのですが、事件を追うにつれて、
意外にもたくましいところを見せてくれるんです。おいおい！というくらいに（笑）

リズへの認識が変わり、二人の絆が深まる設定。上手いですね。

そして看護人ステラが面白い。
上品なジェフ＆リズが口にしないようなちょっとグロい内容をズバっと言ってくれるのが実に気持ちいい。

裏窓からみえる、アパートの住人の暮らしぶりも群像劇的に見せてくれるところも秀逸。

ラストのワンシーンにも笑えて、幸せな気分になりましたよ。

ヒッチコックの作品の中でも名作と言われるだけのことはありますね。楽しめました。

★★★★＊