しまんちゅシネマ

映画ノート

向かいの窓


2003年(イタリア/イギリス/トルコ/ポルトガル)監督:フェルザン・オズペテク出演:ジョヴァンナ・メッツォジョルノ/マッシモ・ジロッティ/ラウル・ボヴァ/フィリッポ・ニグロ【ストーリー】ローマで、夫と二人の子供と暮らすジョヴァンナは、毎日の生活に疲れ気味。お菓子作りを仕事にしたいという夢を持ちつつも、忙しさや経済的な問題から実現できない。密かな楽しみは、窓から向かいのアパートのかっこいい男性を眺めることだ。そんな折り、町で記憶喪失で迷子になった老人と出会う。人のよい夫が家に連れてきてしまい、他人を警戒するジョヴァンナは、またもや夫と口論ばかりの日々に突入する。
■感想
人生に疲れ、毎日のこと全てにイライラしてしまうことって誰にでもあるはず。
これは、そんな多くの人に観て欲しい作品でした。

お菓子作りが好きなジョヴァンナは、お菓子を作る仕事に就きたいと思いながらも、現実は生活のため、好きでもない工場の仕事に甘んじていた。夫にはついつい不満をぶちまけて、口論になってしまいがち。
ジョヴァンナの密かな楽しみは、キッチンの窓から隣のイケメンを眺めること。
「なんて素敵なの♡」(by ジョヴァンナ)

ある日、街で出会った迷子の老人を家に連れてきたことから、夫とはますます険悪なムードに。
やむなく一晩過ごすことになり、翌日警察に連れて行くはずの老人が姿を消します。
老人の残した私物を頼りに捜索を始めるジョヴァンナ。その捜索に協力してくれたのが隣のイケメン、ロレンツォでした。
二人は急速に接近することとなるのですが‥。



冒頭、何やらサスペンスフルな映像で始まり、その後ジョヴァンナの日常へと場面が移るのですが、
冒頭のシーンがどう絡んで来るのかとちょっぴりドキドキ。
老人も非常にミステリアスな描かれ方になっていて、その正体にも興味津々です。
かといって、サスペンスを期待しすぎると、あれ?って感じになってしまうのですが、
イケメン君とのロマンスは?老人の正体は?とずっと興味を持続させる作りで
ジョヴァンナが大切なものをみつけていく物語として、楽しむことが出来ました。


ジョヴァンナが隣の家の窓から、我が家の風景を見るシーンが印象的です。
いつもと、ちょっと違った角度から見てみると、今まで見えなかったものが見えてきたりするものですね。

老人を演じたマッシモ・ジロッティさんは、撮影後にお亡くなりになったようです。
少しボケた表情と、しっかりした時の表情をちゃんと演じ分けており、さすがにベテランの風格。



劇中、美味しそうなケーキがたくさん登場するものだから‥、
結局観終えてすぐに、パンプキンパイを焼いてしまいました。
ダイエットには良くない作品かもです。。(汗)



★★★*☆