スルース

２００７年（米）監督：ケネス・ブラナー出演：マイケル・ケイン／ジュード・ロウ【ストーリー】ベストセラー推理作家アンドリュー・ワイクが暮らすロンドン郊外の豪邸。ここに、若い俳優マイロ・ティンドルが訪ねてくる。彼こそは、ワイクの妻マギーの浮気相手。この日の来訪は、ワイクにマギーとの離婚を迫るためだった。それを承知で彼を穏やかに招き入れるワイク。そして、失業中だというティンドルに、贅沢が身についた妻を満足させることはできないだろうと切り出すと、あらかじめ用意していたある提案を持ちかけるワイクだったが…。

■感想
ローレンス・オリヴィエとマイケル・ケインで７２年に映画化された戯曲のリメイクだそうです。

妻を奪われた初老の富豪作家　VS．若さと美貌が売りの失業中の俳優
二人の男が一人の女を巡って、危険なゲームを始めるというお話です。

登場人物は二人だけ。
美しき失業中の俳優にジュード・ロウ。富豪の推理小説家にマイケル・ケインです。
前作「探偵スルース」ではマイケル・ケインがジュードのキャラクターを演じていたんですね。

完全犯罪のシナリオを準備してマイロを待ち受ける推理小説家ワイク。
なんといっても、手に汗握る男の決闘がみものです。

ワイクは金、マイロは若さと美貌。相手にないものをひけらかしながら、チクチクと刺す。
軽妙な言葉のやり取りを楽しむ作品かと思いきや、自体はとんでもないサスペンスへと展開していきます。
互いに冷静さを欠き、憎しみの感情が生まれていく様子が実にスリリング。
優勢に立つものも順次変わっていくため、先が読めない面白さと怖さがありました。

ブルー調の美しい画面の中、二人のイギリス人俳優の鬼気迫る演技！
マイケル・ケインの上手さはいうまでもなく、妻を寝取られ、奇麗な男に若さをひけらかされ
もはや冷静ではいられなくなる初老の男の悲哀と狂気を見事に演じていました。

本作でお得感があるのは、大好きなジュードが出ずっぱりだという点ですよね～（笑）
クールでシニカルで超カッコいいところを見せてくれたかと思うと、
えーーー、なんじゃそりゃ！　というところを見せてくれたり（爆）　これは実際に観てご確認ください。
プライドを傷つけられた男がエゴむき出しにして常軌を逸していく姿を熱演してくれるのです。
こんな風に激しい感情表現をしてくれるジュードを拝めただけでも満足ですw

監督はケネス・ブラナー、こういう舞台劇風な作品は得意中の得意というところでしょうか。

★★★★☆　　ジュードポイント追加してますw