しまんちゅシネマ

映画ノート

ラスト・ショー


1971年(米)監督:ピーター・ボグダノヴィッチ出演:ティモシー・ボトムズジェフ・ブリッジスベン・ジョンソンエレン・バースティン/アイリーン・ブレナンランディ・クエイド/クロリス・リーチマン/シビル・シェパード/サム・ボトムズジェシー・リー・フルトン【ストーリー】テキサスの小さな町アナリーンに、若者の社交場となっている映画館があった。そこに集まってくる若者、ソニーとデュアンはある日、恋人のことが原因で喧嘩別れしてしまう。そして数年後、朝鮮戦争に出征するために故郷に戻ったデュアンは、ソニーとの友情を取り戻し、かつての遊び場だった映画館へ赴くが……。
■感想
50年代。テキサスの小さな田舎町アナリーンにある、たったひとつの映画館が閉館する時‥。

私の育った町にも、その昔映画館があったことを思いだしました。
いつのまになくなったかなぁ。

この映画の背景になる50年代は、どこの家にもテレビが普及し始め、
かつて唯一のエンターテインメントとしての映画を楽しむ人々でにぎわった映画館も姿を消していく。

その物悲しさを映画全体に漂わせつつ、そこに暮らす人々の青春群像を描きあげたのが、この「ラスト・ショー」です。

映画の舞台となったのはArcher Cityというテキサス北部の小さな町。
テキソマ湖に行く途中に通った寂れた町がきっとそうだったのだろうな。

子供から大人へと変わっていく若者とともに、少しずつ町も変わっていく。

町で映画館、カフェ、ビリヤード場を経営するサム(ベン・ジョンソン)は、アウトローな存在ながら若者から慕われる存在。
そのサムがいなくなり、若者も映画離れを始め、町では最後の映画上映が行われる。
なんとも言えないノスタルジーがあるのですよね。

小さい町だからこそ感じるフラストレーションや、哀しみがあり
何か物悲しいけれど、彼らの葛藤や、「今」を乗り越えていく様子が心に沁みる良い映画でした。

町一番の美少女ジェイシーにシビル・シェパード
ジェイシーを争う若者にティモシー・ボトムズジェフ・ブリッジス
ジェイシーの母でかつてサムと恋人だったのがエレン・バースティンなど、ベテラン陣の若い姿を見ることが出来ます。



★★★★☆