しまんちゅシネマ

映画ノート

アナザー・ハッピー・デイ ふぞろいの家族たち




美女特集なんだか熟女祭りなんだかわからなくなって来ましたがw
今日はブロ友る~さんリクエストのエレン・バーキンさんいってみます。
レインマン』などで知られるバリー・レヴィンソン監督の息子で新鋭のサム・レヴィンソンの初監督作品。
家族のわだかまりと絆を描くヒューマンドラマです。



アナザー・ハッピー・デイ ふぞろいな家族たち
2011年(アメリカ)
原題:Another Happy Day
監督:サム・レヴィンソン
出演:エレン・バーキンケイト・ボスワースエレン・バースティントーマス・ヘイデン・チャーチ、ジェフリー・デマン、デミ・ムーア



離婚率の多いアメリカでは家族構成も複雑ですね。
夫婦は離婚により他人になっても子供たちの親であることに変わりないわけで、親としての責任を共に果たさなければいけないことがある。その最大のイベントが結婚式でしょうか。




この映画の主人公となるリン(エレン・バーキン)も離婚経験者。
前夫(トーマス・ヘイデン・チャーチ)との間に生まれた長男の結婚式に出席することになり、それぞれの家族や親戚が実家に集まることになります。
リンと現在の夫との間の息子はヤク中、前夫との娘アリスは自傷癖あり、
親戚どもはくだらない噂話してるやなヤツばかりとリンのストレスは溜まる一方。
リン自身も自ら抱えてきた怒りに向かい合うことを余儀なくされる。
そんな折、思いがけない事態が発生する・・というお話。

あらすじだけ読んでもイタい映画であることは想像できるでしょ。
バイオレンスが描かれるわけでもないのに、言葉が人を傷つける。
その言葉を発するのにも哀しい土台があるからだと知ることになり
コメディ風味でありながら切実で生々しいドラマに次第にのめりこんでいきます。

劇中、薬中の息子エリオットを演じるエズラ・ミラー(『少年は残酷の弓を射る』!)君が911のことを引き合いに出して語る台詞に、「どうしようもなく恐ろしく哀しいのだけど、あの事件が人の絆を強くした」というのがあったけれど、それこそがこの映画の全てを語ってるように思いました。

うまく説明できないけど、ぶつかり合ってきた家族も時間がその哀しみを薄れさせることがあるし
家族の「死」も同じように家族の罪や苦しみの枷を一つ取り除いていく。
そんな風に思うときがあります。

このちょっと奇妙な作用を理解する人は心を動かされるでしょうね。
家族の問題に対し、とくに解決作を示す映画ではないにも係わらず最後にはなんだか癒されて、
タイトルにあるように、そのうちに幸せはきっとくるかも と思えるんですよね。

東京国際映画祭で上映されてますが、日本一般公開は12/1~

★★★☆