しまんちゅシネマ

映画ノート

ラースと、その彼女


2007年(米)監督:クレイグ・ギレスピー出演:ライアン・ゴズリングエミリー・モーティマー/ポール・シュナイダー/ケリ・ガーナー/パトリシア・クラークソン【ストーリー】雪が降り積もる小さい田舎町。そこに暮らすラースは、極端にシャイで女の人と話すのが苦手。でも、人一倍優しくて純粋な心を持っている。そんな彼が、人生で初めてみんなに紹介したガールフレンドは、等身大の人形・ビアンカだった!
感想
本作は2008年度のアカデミー他、映画賞で数々の受賞とノミネートを果たした話題作。
きみに読む物語」のライアン・ゴズリング主演の心温まる物語です。

でも、これは好みの別れるところかも。

27歳のラースを演じるのがライアンです。
両親を亡くし、実家のガレージを改築した家に一人暮らすシャイな男。

ラースを心配する兄夫婦に、インターネットで知り合ったという恋人ビアンカを紹介するシーンは爆笑です。
だって、そのビアンカちゃん、なんと等身大のお人形!!


インターネットで注文した、いわゆるダッチワイフ!なんですね~。解剖学的な機能もそなえてるとか^^;

戸惑う兄夫婦の反応にも馬鹿笑いして、爆笑コメディを予感したんですが‥
このラースが【マジ】なんですわ。
ビアンカを人間のように扱う様子に、私の爆笑が次第に「???」になっていき、
しまいには私も兄夫婦と一緒にどうしたもんかと悩んでしまいました(笑)

結局兄はラースを医者にみせることに成功するんですが、医者はラースの妄想を受け入れ、様子を見ることを提案しつつ
カウンセリングを開始します。町の人にも働きかけて、みんなでビアンカを人間扱い!!

いやはや、あり得んだろ~と、ここで心が離れてしまう人も多いでしょうね(笑)

でも観ていくうちに、これはラースの成長物語であることに気付きます。
ラース自身がこのトラウマから抜け出す道を見出すわけなんですね。


途中かなり引いてしまった私も、終盤からは泣けてしまいました。
ラースをとりまく面々が温かいのですよ。

ライアンは、役が役だけに少々きもいと感じるものの、トラウマを抱えた人間の葛藤を純真に演じていて
ゴールデングローブノミネートの演技。

一番好きだったのは兄嫁カリンを演じたエミリー・モーティマーですね。
戸惑いながらもラースを心配し、心からその幸せを願う温かい人柄に惹かれ、一気にファンになりました。
ラースの兄役のポール・シュナイダーはテレビ系の俳優さんのようで初めて観た人でしたが、彼のちょっととぼけた温かい感じもいいです。戸惑いぶりには一番笑えます。


ラースの治療に当たる女医さんにパトリシア・クラークソン。大好きな「エイプリルの七面鳥」のお母さん役の方。
奇麗な人だったのね。ベテランらしい落ち着いた医者を好演。


オリジナリティ溢れる、ハートウォーミングな物語り。
小さな田舎町の小さな奇跡にほっこりできるかどうかはあなた次第。試しに観てみてくださいな。

来年のお正月に公開らしいですよ。




★★★★☆