しまんちゅシネマ

映画ノート

その男は、静かな隣人


2007年(米)監督:フランク・A・カペロ出演:クリスチャン・スレイターエリシャ・カスバート/ウィリアム・H・メイシー/ジョン・ギャラガーマイケル・デルイーズ/サッシャ・ノップ/デヴィッド・ウェルズ/ランドルフ・マントゥース
■感想
クリスチャン・スレイター主演の社会派サスペンスです。

スレイター演じるボブはポスターみたいな↑冴えないサラリーマン。
まずこの容姿に、スレイターファンはショックを受けるかもしれない^^;

年下の上司からは苛めに近い扱いを受け、仕事仲間からもバカにされるボブは
職場の机の引き出しに銃を隠し持ち、「殺したい相手」を想定しながら弾を込める男。
面倒を避けるため、最後の一発は自分用。。。
でも結局は実行に移す勇気などない。

そんなある日、いつものように銃に弾を込めていると、室内で銃声が響く。
ボブ同様に冴えない同僚の一人ラルフが、なんと銃乱射を実行しちゃった!!

先日も米軍基地内で銃乱射事件があったようだけど、バージニア工科大学の事件しかり
最近では日本でも、銃を使わなくとも秋葉原など同様の事件が起こってますよね。
鬱々とした日々を過ごす中、そのストレスのはけ口を他人に向ける‥
事件を起こしてしまう人間がどんな風にストレスを募らせていくのか、
その心理に迫った作品と言ってもいいかもしれません。

映画では銃乱射事件を起こした同僚を、ボブが手にしていた銃で射殺してしまい、
彼はヒーロー的な扱いを受け、その人生が変わっていくところが描かれるのですが・・・

同じ人間でも、きっかけ次第で、あるいは考え方次第で変わる可能性を持っているということ
本人が変われば周囲も変わるのだというのは、私自身の持論であり人生の教訓でもあるんだけど
この映画でもそんな一面が見えてきます。
この感じでダメダメ男の成長物語に仕上げることも可能でしょう。
ただし、映画的にはそれはあまりに予定調和で面白くないかもですね。
なのでこれまた意外なラストへと突き進んでしまいます。



ボブが恋するヴァネッサにエリシャ・カスバート
ラルフの事件で巻き添えを食らうという役柄で登場しますが、ボブの妄想の中でヴァネッサは天使。
でも実は、、という両面を演じ印象的でした。
あの口を開けて待つ姿(画像みたいなお食事のシーンじゃなくてね)はファンには嬉しいのかどうなのか^^;


ボブは実はこうなりたかった、
でもそれは容易なことではないのだと思い知らされるラストは切ないですな。

スレイターは惨めなダメダメっぷりが嵌っていて、ボブの悲哀を見事に表現し
映画にユーモラスな一面と緊張を与えグッジョブです。

で、あの禿げは‥ヅラですか?^^;


★★★★☆