しまんちゅシネマ

映画ノート

聖バレンタインの虐殺/マシンガン・シティ


1967年(米)
監督:ロジャー・コーマン
出演:ジェイソン・ロバーズ/ジョージ・シーガル/ラルフ・ミーカー/ジーン・ヘイル/ブルース・ダーン  
 

■感想
昨日の『アンタッチャブル』に引き続き、禁酒法時代に暗躍したアル・カポネにまつわる映画を。

タイトルの『聖ヴァレンタイン祭日の虐殺』というのは、1929年2月14日にシカゴで起きたギャングの抗争事件で
別名、聖バレンタインデーの悲劇とか血のバレンタインと呼ばれるもの。
この事件でアル・カポネに対抗するバッグズ・モラン一家のヒットマン6人と通行人の一人が殺されました。
7人というのは思いの他少ない数字だと思うのだけど、暗殺者が警官に扮し、パトカーを使っていたことからマスコミを騒がすことになったのだそうな。
アル・カポネが指揮していたに違いないこの事件だけど、結局警察は犯人を挙げることが出来ずじまい。
それでもこの事件を契機にカポネの人気は地に落ち、警察も彼の検挙に躍起になっていったんだそうで
アンタッチャブル』の逮捕劇はこの事件から3ヶ月後のことになるんだね。
 
で、映画はこの事件に向かうまでのギャングの抗争とカポネの悪行を暴きます。
事件に関わる人々をナレーションで紹介するなど、ドキュメンタリータッチなのが特徴。
カポネを演じるのはジェイソン・ロバーズ。
カポネ自体を知らないので『アンタッチャブル』のデ・ニーロと比べて、どっちがカポネに近いかというのは分からないのだけど、デ・ニーロが陽気さと冷血さを併せ持ち、そのギャップが余計怖いと感じたのに対し
ジェイソンさんは実際のカポネよりも随分細いし、ハゲでもない。
外見の違いだけでなく、ちと吠え過ぎる犬という感じがしたし、陽気な面よりも陰湿さが際立った。

映画自体にもエンタメ性は感じない。
しいて言えばギャングが使う銃に興味を持って観れたのと、残虐な殺され方が見所かな。
でもギャングがどうやって勢力を伸ばしていったのかとか、この時代を知れたのは良かった。
 
監督のロジャー・コーマンはB級映画の帝王といわれる方だそうで、、
この映画もセットの再利用などで用意された予算をはるかに下回る制作費で仕上げることが出来たらしい。
切り詰めることが板についてるんだねw ナイス
 
 



☆☆