しまんちゅシネマ

映画ノート

フェイク


1997年(米)監督: マイク・ニューウェル 出演: アル・パチーノ/ ジョニー・デップ / マイケル・マドセン / ブルーノ・カービイ     ジェームズ・ルッソ / アン・ヘッシュ / ジェリコ・イヴァネク / ロバート・ミアノ
■感想
マフィアに潜入し摘発する実在のFBI潜入捜査官、ジョー・ピストーネの操作の全貌を描いた作品です。

ジョニー・デップ演じるFBI捜査官ジョーは、原題のドニー・ブラスコという名前でNYに潜伏。
街で出会った組織末端の冴えないマフィア、レフティに見初められ組織に潜入することに。
FBIに情報を流しつつ、マフィアの悪事をキャッチし、犯罪を事前に防ぐ役割を担うわけなんですが
長い時間をともに過ごすうち、レフティとジョーの間には親子のような絆が芽生えてしまうんですね。



ドキドキの潜入ものというよりも、末端マフィアの世界を丁寧に見せつつ
次第にその世界にのめりこみ自分を見失いそうになる男の葛藤と、苦悩を描いた作品でした。

アル・パチーノは決して大成はしないけれど、正直な男。
彼を利用していることにジョーが苦悩を抱くのも無理はないと思うほど
人間味にあふれる初老のマフィア、レフティを好演してますね。

最初は厳しい目つきのジョニーが、次第にレフティに信頼を寄せ、まるで年老いた父親をいたわるような
優しい目でレフティを見るようになるんですね。
ちょっと不良っぽい拗ねた表情も見せてくれるし、作り過ぎない役のときのジョニーって、本当にかっこいい。

ラスト、アル・パチーノの穏やかな潔さとジョニーの憤り
二人の表情の対比も見事でした。

ちなみに多くのマフィアを摘発したジョー・ピストーネは50万ドルの懸賞金をかけられ隠遁生活なのだとか。



★★★★☆