しまんちゅシネマ

映画ノート

アラビアのロレンス

 
1962年(イギリス)
 

 
■感想
今頃観たんかい!シリーズですな(^-^〃)♪
長さにびびってたのもあって敬遠してたけど、やっぱり名作だったわ~。
 
デヴィッド・リーン監督が紡ぐ戦争スペクタクル
第一次世界大戦中、祖国イギリスの命を受けて、アラブ独立のために戦った、トーマス・エドワード・ロレンス
栄光と挫折の半生を、実話を元に綴る・・・
 
古の時代から争いの耐えないアラブの民族を、金髪碧眼のイギリス人が指揮した時代があったんですね。
アラブ闘争のこと、それに絡むイギリスの真意など、このあたり正直苦手分野で
書こうとするとボロがでるので、控えますが^^;
まず映像が素晴らしい。
ロレンス(ピーター・オトゥール)のすったマッチが、燃えるような砂漠の夕日へと変わると
ロレンスはもう砂漠にいるんです。しょえー、カッコいい。
 
白い砂と青い空のコントラスト、砂上につくる影、そして蜃気楼・・
砂漠の風景っててこんなに美しいものなのかと息を呑むのですが
すぐに、その過酷さを思い知らされます。
 
長い旅の途中、らくだの背中に揺られつい眠ってしまうのは、死を意味するんですね。
まだ薄暗い空が白み始め、太陽が姿を見せる。。
灼熱の太陽が身体を射すまでの様子のサスペンスフルなこと。
 
ロレンスは砂漠に取り残された青年を救うため、砂漠を引き返す。
まさに命がけ、無謀な行動ですが、無事に青年を救いだしたロレンスは皆の信頼を集めることになり
あの白い衣装を与えられるんですね~。
 
それはロレンスのヒロイズムの始まりでもあったのでしょう。
しかしながらアラブの平和を目指したロレンスの夢はやぶれ、心が疲弊していく姿はむなしいものでした。
何よりも心に残ったのは、ロレンスが人を殺すシーン。
虫も殺さないような優しいロレンスが、命がけで砂漠から救った青年を、制裁のために射殺する。
リーダーとしての資質を見せ付けなければならない辛いシーンですが
一方でこうしたことは、彼のヒロイズムを刺激し、ある快感を得ることにもなっていたことを思うと
人の心の複雑さに驚くし、主人公を美しいだけの人間として描いていないところが良いです。
 
この時代に、考えられないほどの迫力の映像を駆使した本作
CGにはない真の凄みがありますね。
これを観た翌日、スピルバーグは監督になることを心に決めたのだとか。
多くの映画ファンを魅了したのも大納得の素晴らしい作品でした。