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映画ノート

眺めのいい男 アル・パチーノ『哀しみの街かど』


 
1971年(アメリカ)
監督:ジェリー・シャッツバーグ
出演:アル・パチーノキティ・ウィン/アラン・ヴィント/リチャード・ブライト/キール・マーティン/ラウル・ジュリア
【ストーリー】
堕胎手術をした娘がジャンキーと知り合い、自分も麻薬の味をおぼえてしまう。彼女は次第に、麻薬欲しさに身体を売るまでに落ちぶれていく……。(Allcinemaより)

眺めのいい男特集 10本目! アル・パチーノ
 
■感想
眺めのいい男特集のラストを誰に飾ってもらおうかなぁと散々考えたあげく
かつてはこんなに美しかった大御所アル・パチーノにしました~。
デビュー2作目 『ゴッドファーザー』の前のアルパチ親分が演じるのは生粋のジャンキー
時にヘベレケ イッちゃってる演技がお見事
どうしようもない自分にへの怒りをにじませながらも
恋人ヘレンと二人、どこまでも落ちていく姿が悲しい映画です
 
デビュー2本目でこの演技というアルちゃんも、さすがの才能を感じさせてくれるところだけど
本作ではヘレンを演じたキティ・ウィンが凄いね~。

幸薄いヘレンが、ジャンキーのボビー(パチーノ)と暮らすうちに、
いつしか麻薬に溺れ 身を持ち崩していく
集中力を欠くため、まともな仕事にもつけない
麻薬欲しさに体を売る 
廃人直前の演技など 本当に薬中なんじゃない?と思わせるほどでした
彼女はこの演技でカンヌの女優賞を獲得したんですね。納得です

アル・パチーノは大きな瞳が印象的ですね
本作の妙なテンションのアルパチがゴッドファーザーのマイケル役を得るなんて、このとき誰が思ったでしょう。
でも、コッポラはすでにその才能に目をつけ、マイケルにふさわしいか確認するため試写に訪れたのだとか。
 
原題は『THE PANIC IN NEEDLE PARK』
NEEDLE PARKってのは、言うまでもなくジャンキーに溢れる街ニューヨーク
この町のすさんだ風景はベトナム戦争後のアメリカを象徴するものでしょうね。
 
心躍る映画でも深い感動を得る映画でもないけれど、出演者の演技と
時代を堪能する作品でしょうか
心に空っ風が吹きすさぶ そんな映画でしたね。