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映画ノート

死を処方する男 ジャック・ケヴォーキアンの真実


 
先日、130人に及ぶ患者を自殺装置で尊厳死させたという、
アメリカの元医師ジャック・ケヴォーキアン氏の訃報が入りました。
本作は、ケボーキアン氏をアル・パチーノが演じ、その安楽死推進の活動を描くテレビ映画です。
氏の追悼の意を込め、観てみました。
死を処方する男 ジャック・ケヴォーキアンの真実(2010)アメリ
監督:バリー・レヴィンソン
出演:アル・パチーノスーザン・サランドンダニー・ヒューストン/ブレンダ・ヴァッカロ/ジョン・グッドマン/ディードル・オコンネル
 
■感想
アル・パチーノ演じるケヴォーキアン氏は 安楽死の研究を進める医者。
彼は、治癒の見込みのない末期患者が、苦しみの中でただ死を待つことに異議を唱え
ついに、自殺幇助の活動を始めます。
 
尊厳死安楽死・・
難しい問題ですよね。

脳死状態にある患者の生命維持装置を外す、というのでなく
ケヴォーキアン氏の場合、死に至らしめる薬剤を注射するんですから。

↑これが氏自ら考案作成した「自殺装置」写真もご本人です。
 
自殺幇助は「殺人」か「医療行為」かが、物語の焦点となり
結局裁判で負け、殺人罪で刑に処されることになるんですねぇ。
人が尊厳を保って死に臨むことがあってもいいんじゃないかと思う一方で
積極的な自殺幇助には、何か恐ろしさを感じてしまうのも確か。
 
勿論、どちらがいいとか、答えを出すことを目的とした映画ではありません。
けれど、患者の苦痛を終わらせようとする、氏の思いは十分に理解できました。
裁判では負けたけれど、彼が死の臨床に与えた影響は大きいんじゃないかな。
痛みのコントロールを主流とした、終末期医療は大きく発達しています。
形は違えど、彼の訴えてきたものは無駄にはならなかったのだと思います。
 

身体的理由で求刑より短い8年半で出所した氏(ご本人)
 
映画の中でも言ってたけど、体を切り開いて手術を施すことなど
大昔は神の領域を冒すものだとされていたらしい。
時代とともに医学の倫理も変わるのもの。
だからこういった機会に議論がされるのは、意味のあることでしょうね。
勿論映画は、中立の立場で描かれているので
この映画を見て何を感じるかも見るものの自由。
 


アルちゃんは、信念の主人公を、ときに熱く、ときに静かにストイックな演技で
ゴールデングローブミニテレビシリーズの男優賞を受賞。
監督は『レインマン』のバリー・レヴィンソン
とても手堅い映画に仕上がってるという印象です。
 
 
 
ということで、小休止終了~
明日からまたしりとり再開します。
前回から引き続き

次は「ヴ」から始まる映画いくぜよ。  (゚┏ε┓゚)ヴゥー

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