しまんちゅシネマ

映画ノート

ル・ジタン

 
1975年(フランス/イタリア)
監督:ジョゼ・ジョヴァンニ
出演:アラン・ドロン/ポール・ムーリス/アニー・ジラルド/レナート・サルヴァトーリ/マルセル・ボズフィ/ベルナール・ジロドー/モーリス・バリエ
 

ドロン様 お誕生日おめでとうございます

ってことで、プチ・ドロン祭り開催します
 
■感想
ドロン祭り 初日の今日は、先日kaz.さん のところでこの映画の音楽を聴いて
その心地よさに、ぜひ観たいと思ったこの作品から。
 
 
本作でアラン・ドロンが演じるユーゴはジプシー出身でジタンと呼ばれるならず者
ちょっと、最近のジョニーにも似た感じ。

タイトルにもなってるジタンというのは、フランス語でジプシーの意味なんですね。
 

偏見と差別にまみれた世間を恨み、犯罪者となったジタンは
終身刑で服役中、そこで知り合った2人の仲間と脱獄し、警察に追われる身となっています。
映画はジタンの逃走劇を、同じく警察に追われるギャングのヤン(ポール・ムーリス)との
交流を絡め、描きだします。
 
一匹狼的なジタンと、老ギャングのヤン。
交わるところがなさそうな二人が、孤独という共通項で繋がり
緊迫の中、不思議に穏やかに心を通わせるシーンがいいんですよ。

何か本を読むか?と聞かれ、「絵のついたものを」と応えるジタン
学校にも行かないジタンは本など読めない。
それでも絵付の本をパラパラとめくるジタン
静かに見つめるヤン ・・そういう表現にぐっときます。
 
あるいは警察に追われ、負傷したジタンを助ける獣医
偏見の目にさらされていたジタンが、初めて受ける親切に
不器用に対応する様子もいいんですよね。
 
冷酷に人を殺したりもするジタンだけど
子供に対しては目いっぱいの優しさを示すところも好き
 
あと、映画の中で何度もドロンにウィンクされちゃって(私にしたんじゃないけどw)
セクシーさにもクラクラです。
 
 
そしてやっぱり音楽がいい!
ジプシーたちが陽気に奏でるギターやバイオリンの乾いた音色が
ドロンの見上げる空に響き、その孤独とリンクするんだなぁ。
なんちゃないけど、なんかいいです、これ。
 
逃走劇をアクションで楽しめる娯楽作ではありますが、
ヨーロッパにおける移民の状況は、この時代よりも更に深刻になっていることを思うと
今に通じる問題を有す社会派な一面も持つ作品ですね。
 
 
今週はフル・ドロン! どうぞヨロシクね~。