しまんちゅシネマ

映画ノート

英国王のスピーチ


 
2010年(イギリス/オーストラリア)
監督:トム・フーパー
出演:コリン・ファースジェフリー・ラッシュ/ヘレナ・ボナム=カーター/ガイ・ピアースティモシー・スポール
  デレク・ジャコビジェニファー・イーリーマイケル・ガンボン
 
■感想
プレオスカー特集 10本目 
イギリスのジョージ6世が、吃音症を克服すべく奮闘する姿を描く歴史ドラマです。
 
ソーシャル・ネットワーク』が前哨戦を一歩リードの感もあるけど
私は絶対これ!! 凄くよかった~。

コリン・ファースが演じるのは、後にイギリス国王ジョージ6世となるアルバート
彼は吃音症(いわゆる「どもり」ですね)があって、
映画冒頭、父であるジョージ5世の代理で行った演説はうまくいかず、国民を失望させることに。
 
ジョージ5世逝去の後、アルバートはジョージ6世として王位を継承するものの
時代は第二次世界大戦勃発のとき
彼は国王として国民の心をひとつにするスピーチをすることが出来るのか というお話です。

アルバートの言語訓練を担当するのがジェフリー・ラッシュ
飄々としつつ、独自の方法で訓練を実践するんだけど
その訓練シーンが面白くてね。会場は爆笑に次ぐ爆笑です。
そもそもくコリン・ファースの役は、先にヒュー・グラントにオファーされたらしいですね。
ヒュー様が演じてたら、おそらくはもう少し軽いタッチになって、
ここまでの感動ものにならなかったかもしれません。

コメディアンタイプでないコリンがやるからこそ、そのギャップが可笑しいし、
もどかしさやコンプレックスからの苛立ち、家族や国民に対する責任感
時には王族としてのプライドが訓練を妨げる様子など表現し、お見事でした。
 
ジョージ6世の妻エリザベスにヘレナ・ボナム=カーター
母性に近い愛情で夫を支える、温かく大らかな后を魅力的に演じてて彼女もいい。
二人の娘ちゃんも可愛くてね。
そのお姉ちゃんの方が現女王、エリザベス2世になるんですよね。
なんたって王室が舞台ですから、美術装飾に至るまでとても豪華で素敵。
幼少時の体験が吃音症に影響を与えるという事実には涙を誘われたし
ジョフリー・ラッシュとの友情が深まっていく様子は感動的。
スピーチがうまく出来るようになるのか、その行方はドキドキでもありました。

トロントを制しただけあって、これはやっぱり今年一番でしょ。
シングルマン』も凄かったけど、コリン・ファース本当にノッてますね。
今年はリベンジを果たして欲しいです。

日本公開は2/26~