しまんちゅシネマ

映画ノート

Get Low(原題)


2009年
監督:アーロン・シュナイダー
出演:ロバート・デュヴァル/シシー・スペイシク/ビル・マーレイ/ルーカス・ブラック

■感想
プレオスカー特集! 今月も続くのだ
新春初映画記事は、機内鑑賞4本中最も気に入った本作から

1930年代を舞台に、死んでもないのに自分の葬儀を執り行おうとする
一人の老人を描く、実話ベースの物語です
 
ロバート・デュヴァルが演じるのは、深い森に40年間篭り、
人との交流を持たない老人フェリックス・ブッシュ
ある日、友人の葬儀の知らせを受けたことから、彼は自分の葬式を出すことを思いつくんですね。
葬式には人が集まる・・
彼はあることにけじめをつけようとしていたのです。
 
葬儀を引き受けることになった町の葬儀屋ビル・マーレイと準備を進める様子が
オフビートで可笑しいんですよ。
葬儀には人に集まってもらわなければならないとあって
村人を巻き込む様子はヒュー・グラントの『ウェールズの山』を髣髴とさせる感じ。
 
トレーラーからも、ほのぼのした雰囲気を感じると思うのだけど
これは孤独な老人の贖罪と和解と純愛の物語でもあり、実は思いのほかシリアスです。
オフビートなコメディを展開させつつ、
老人の過去に迫る40年越しのミステリーを決着させる脚本もお見事。
 
誰もいつかは死ぬけれど、一人秘密を抱え、誰にも理解されずに死ぬのは寂しすぎる。
自分に架した十字架をそっと下ろしてあげるような優しさと、切なさがあって
終盤はボロ泣きでしたよ~。とっても好きな作品でした。
 
ロバート・デュヴァルは流石のうまさ。
二度目のオスカーに期待がかかるところだけど
いや~、今年は主演男優賞が一番混戦でしょう。
ビル・マーレイも珍しくまともに台詞があってw
ゴールデン・グローブ助演男優賞にノミネートされてます。
 
監督のアーロン・シュナイダーは『サイモン・バーチ』などの撮影監督を勤め、
本作が初長編監督作なんだそうです。
短編の『Two Soldiers』(2003)では既にオスカーを獲ってるようだし
これからの活躍が楽しみですね。
 
日本ではまだ公開の予定はないですが、これなかなかいいですよ。
今年のマイトップ10入り決定! って、気が早いかな(笑)
 
トレーラー貼っておきます
 
 





 
 
 

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