しまんちゅシネマ

映画ノート

完全なる報復


 
2009年(米)
監督:F・ゲイリー・グレイ
出演:ジェイミー・フォックスジェラルド・バトラーレスリー・ビブブルース・マッギル
   コルム・ミーニイ/ヴィオラ・デイヴィス/マイケル・アービー/レジーナ・ホール

■感想
今日は今月日本公開が予定されているこの作品。
妻子を殺された男が、法を憎み復讐の鬼と化すというクライムサスペンスです。
2009年版キングの選ぶトップ10の7位にランクインしてました。
 
目の前で最愛の妻と幼い娘をむごたらしく殺された男にジェラルド・バトラー
夫として父として、犯人に極刑を望むのは当然でしょう
ところが、主犯の男は司法取引の名のもとに数年の禁固刑に処されたのみ
殺人を犯したのに、何故?!!
バトラーは怒りに震え、10年の後、壮絶な復讐を開始するんですね。


もはや法には頼れないと、悪党を処すという話はよくあるけど
彼は法自体を恨むことになるというのがポイントでしょうか。
ただ、法に迫るというところには至らず、法をかざすものに法を破らせるところに留まっているのは
少し期待はずれかもしれません。
 
面白いのは、バトラーが知性と富を駆使して壮絶な報復を実行するところ
10年間の準備は半端じゃない
早いうちに捕まって牢屋に入れられるのに、彼の報復は続くわけで
どうやって?というミステリーな部分も面白い。
ありえんだろーーというツッコミどころもあるけどねw
 
悪人だけでなく善良な市民も巻き込んでしまうバトラーは褒められないけど
それほどに彼の哀しみが深く、法の矛盾が生んだ悲劇というところに
考えさせられるものがありますね。
よく目にするのが、精神鑑定で重罪を免れるという例
遺族にしたら、たまらんだろうといつも思いますもん。
 
バトラーの家族の裁判に関与し、バトラーの逆恨みの標的となる検事にジェイミー・フォックス
ラストシーンの複雑な表情が印象的でした。
 
バトラーの犯行は猟奇的で、もはや闇のヒーローにもなりえない点、
法に踏み込んだとはとても言えない点で
あまり評価されないのかも(いつものテレビ欄の評価で☆1つ半、トマトメーター25%)だけど
クライムサスペンスとしては面白く観ましたよ。
 
日本公開は1/22~