しまんちゅシネマ

映画ノート

ラスト・エクソシズム

 
 
2010年(米)
監督:ダニエル・スタム
出演:パトリック・ファビアン/アシュレイ・ベル/ルイス・ハーサム/ケイレブ・ジョーンズ
 
■感想
なんで今頃エクソシスト特集かといいますと 単純にこの作品を紹介したかったからw
どうせならエクソシストを掘り下げようと思うのであります。
 
これは昨年夏に公開されて初登場一位を果した、悪魔祓いを題材にした映画。
悪魔祓いを実践しながらも、そのいずれも実際には悪魔憑きではなく
心の病だったとするコットン牧師(パトリック・ファビアン)が
ドキュメンタリー映画を撮るためクルーを連れてある少女のもとを訪れ、その一部始終を撮影するという
いわゆるモキュメンタリー形式の作品です。

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監督はドイツのダニエル・スタム 製作にイーライ・ロスが名を連ね
バジェットの10倍の興行を稼ぎ出したことでも話題になりました。
 
悪魔祓いを実践するコットン牧師は、牧師として名声を得てる人物ながら
実際には神も悪魔も信じてはいない。
けれども彼はパフォーマーとして人を癒すことには意義を感じていて
悪魔祓いも心の病を癒すことで人助けが出来ると信じているのです。
彼がドキュメンタリー撮影に協力し、撮影の対象として悪魔祓い依頼の手紙の中からランダムに選んだのが
16歳のネル(アシュレイ・ビル)のケース。
「家畜が惨殺され、そのたびに娘ネルの衣服におびただしい血が付着している
娘には悪魔が憑いているに違いない」とする、父親からの依頼でした。
しかしいつものように、偽の悪魔祓いを実践するコットン牧師は
とんでもない経験をすることになる!!というわけなんですね~。
 
これ、『エミリー・ローズ』『パラノーマル・アクティビティ』『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』をごっちゃにした感じ。
あ、『ローズマリーの赤ちゃん』も入ってるか。
幅広い層の鑑賞を可能にするため残酷描写は抑えているし、ドキュメンタリー撮影の形をとるため
それほど怖くはないのですが、ネルを演じた新人アシュレイ・ベルの特殊撮影なしのいびつな演技が見もの
日本のホラーの映像効果を真似てるところもある気がします。

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エミリー・ローズの上をいくイナバウアーはまさに金メダル級
終盤の意外な展開にも驚かされます。
 
悪魔祓いってヨーロッパでは今でも多く実践されてるようだし
神を信じるものは悪魔も信じることになるというプロットは
キリスト教圏の人には余計に恐怖をそそるものかもしれませんね。
 
ラストはちょっと分かりにくく、想像を働かせないといけないのが残念かな。
 
情報はまだないですが、こういうホラーは日本でも公開されるのでは?