しまんちゅシネマ

映画ノート

ウッドストックがやってくる!


 
2009年(米)
監督:アン・リー
出演:ディミトリ・マーティン/ダン・フォグラー/ヘンリー・グッドマン/ジョナサン・グロフ/ユージン・レヴィ/ジェフリー・ディーン・モーガン
   イメルダ・スタウントンポール・ダノ/ケリ・ガーナー/メイミー・ガマー/エミール・ハーシュリーヴ・シュレイバー
  
■感想
1969年に開催された伝説の野外音楽イベント“ウッドストック・フェスティバル”を誘致した青年の
回想録映画化した青春ストーリー。
監督は『ブロークバック・マウンテン』のアン・リーです。
 
【ストーリー】
1969年夏。ニューヨークでインテリア・デザイナーとして活躍する青年エリオットの悩みの種は、郊外の小さな町ホワイトレイクで両親が経営しているおんぼろモーテルのこと。借金がかさみ、銀行から営業停止を迫られているこのモーテルをなんとか救済しようと奔走するものの、返済のメドは一向に立たなかった。そんな時、近隣の町ウォールキルで行われる予定だったウッドストック・フェスティバルが地元住民の反対で中止の危機に直面していると知ったエリオット。彼は、これをホワイトレイクに招致してモーテルの宿泊客増加を目論む。すぐさま主催者と掛け合い、思いの外とんとん拍子に話が進んでいくのだったが…。
(allcinemaより)
 
これは楽しかった~。
ウッドストック・フェスティバルについては、そういう大きなイベントがあったくらいの知識しかなかったのだけど
開催にはこんな裏話があったんですね。
招致を思いついた青年の一本の電話から始まって
あれよあれよという間に、小さな田舎町が開催地に変貌していく これが痛快なんだわ。

フェスティバルの開催を待ちわびる客が早くから滞在し、町は瞬く間にヒッピーのコミュニティ状態
麻薬をたしなんだり、裸で川遊びをしたり。
アポロ11号のニュースが流れる一方で、ベトナム戦争の暗い影が漂う頃でもあり
戦争で心をわずらった青年(エミール・ハーシュ)がいたり、反戦シュプレヒコールが聞こえたり
そこはまさに60年代のアメリカの若者の縮図だったりするんですね。
監督には珍しい分割画面で、準備の様子が生き生きと描かれるのも効果的です。
時代考証にも神経を使ったようで、
登場人物も今時のマッスル体系でない人集めていたり、監督 芸が細かいわ~。
ゲイといえば、主人公の青年がゲイに目覚めた?って描写があったりするのもアン・リーらしい。
 


登場人物もいいのよね。
エリオットを演じるディミトリ・マーティンは知らない人だったけど、
テレビのコメディ番組のライターも勤める人らしい。今後の活躍が楽しみ。
母親を演じるベテラン イメルダ・スタウントンは、ヴェラ・ドレイクの演技とは打って変わって・・
とにかく最高!(笑)
リーヴ・シュレイバーなんか登場と同時に吹き出しましたw 彼をこんな風に使うとはw
ウッドストックベンチャーズのマイケル・ラングを演じたジョナサン・グロフは雰囲気ぴったり

アン・リーは常に家族の問題を描いてきた人だけど
本作でも彼は潰れかけのモーテルから始まった歴史的イベントということに興味を持ち
家族の姿を、そしてフェスティバルに関わる人を描きたかったようですね。
 
ウッドストックの村おこし的なパワーとスピリットを今のアメリカにも!
そんな応援歌的な気持ちも込めたのかもしれません。
気持ちよく笑える、楽しい映画に仕上がってます。
アン・リーやっぱり好きだわ。
 
1/15~ 日本公開中~