しまんちゅシネマ

映画ノート

エンター・ザ・ボイド


Cinema de しりとり 5回目 【え】

「え」から始まる映画、
今日は鬼才ギャスパー・ノエ監督が東京を舞台に撮り上げた異色作『エンター・ザ・ボイド
突然の死によって身体から抜け出た魂が、東京の街を彷徨う様子を描き、
カンヌやサンダンスでセンセーショナルを巻き起こした作品です。

 
エンター・ザ・ボイド(2009)フランス
監督:ギャスパー・ノエ
出演:ナサニエル・ブラウン/パス・デ・ラ・ウエルタ/シリル・ロイ/オリー・アレクサンデル
サラ・ストックブリッジ/ エド・スピアー/丹野雅仁
【ストーリー】
ネオンあふれるTOKYOの歓楽街。あてもなく日本にやって来たオスカーは、この街でドラッグのディーラーをしながら、自らもドラッグに溺れる日々。最愛の妹リンダも日本に呼び寄せ、小さな部屋に2人で暮らしていた。そんなある日、警察の手入れに遭い、混乱の中で胸を撃たれ、あっけなく死んでしまう。肉体を離れ、魂となって浮遊し始めたオスカーだったが、自らの死をなかなか受入れられず、様々な過去の記憶に晒されながら、欲望と犯罪が渦巻くTOKYOの街を彷徨い出すのだったが…。
 


■感想
この映画の凄いのは、まずはカメラワークですね~。
冒頭、主人公であるオスカーの姿を見せず、完全なるオスカー目線と思いきや
途中から、オスカーの姿が現れ、主にその後頭部を映し出す。
それは、後に突然の死によってその身体を離れた、魂の視線だったりするわけですね。

身体を失ったオスカー(キサニエル・ブラウン)の魂は、
妹リンダに思いを残し、東京の街を彷徨います。
幼いときに両親をなくした、兄妹。
ずっと一緒にいることを誓い合う、彼らの愛情は並ならぬものがありました。
 

なんといっても、魂ですから、その視線たるや神出鬼没で、
東京の上空からのみならず、
時にはオスカーの受けた弾痕からの視線だったり
極めつけは女性の子宮からの視線だったりするから驚きです。
しかもその魂は、時空を自由に行き来するんですね。

終盤でラブホテルを彷徨い、一体どう完結するのかと思えば
これは命の誕生を神秘的に描く、輪廻転生のお話でもあったのですね。
浮遊感に溢れ、サイケで不思議な世界ですが 切なく、美しくもありました。
 
時として、外国人の描く日本(東京)に違和感を覚えるところだけど
この映画では、雑多で、スタイリッシュな東京がありのままに描かれ
セックスとドラッグに揺れる、映画の特有の浮遊感とマッチしてますね。
 
 
ところで・・
これって、劇場で観たい映画にたどり着くのが大変・・

次は「」から始まる映画だ  ど・・

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