しまんちゅシネマ

映画ノート

ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ


ではでは、大映画祭特集 早速いってみます。
トップバッターにもってきたいのは、5つの映画祭の中でも
地元アメリカで開催されるサンダンス映画祭
ロバート・レッドフォードが始めた映画祭で、ハリウッド作品とは一味違った
インディーズ作品の傑作を生むことでも、これからますます期待のかかる映画祭ですね。
 
今日は、2001年に観客賞を受賞した『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』を
ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ (2001)アメリ
監督:ジョン・キャメロン・ミッチェル
出演:ジョン・キャメロン・ミッチェルマイケル・ピット/ミリアム・ショア/スティーヴン・トラスク/セオドア・リスチンスキー
 
泣きそうなくらいに、好きな作品だった~。
これは、おかまのロックシンガー、ヘドウィグの波乱の半生を描く作品ですね。
もともとオフ・ブロードウェイで上映されたロック・ミュージカルを
舞台同様に、ジョン・キャメロン・ミッチェルが監督・脚本・主演を努めているわけですが
いや~、凄い!
 
ドイツがベルリンの壁で東西に分けられている時代
米兵に見初められたハンセン(ヘドウィグ)は、母の名前を貰って渡米。
性転換手術を受けるも、手術の失敗で、切り株が1インチ残っちゃったw


ってことで、タイトルのアングリー・インチというのは、この怒りの1インチのことなんですね。
その後、結局米兵に捨てられたヘドウィグは
ロックシンガーとしてステージに立ちます。
やがて、同じく音楽を目指す若いトミー(マイケル・ピット)と愛し合うようになりますが・・・
 

とにかくね、ヘドウィグの魂の叫びともいうべき歌が凄いの。
「怒りの1インチが残っちゃったよ~!!」って歌う過激なものは
観客もドン引きだったりするんだけど
「誰もが自分の片割れを探している」と歌う曲が切なくてね~。
歌唱力も、そのパフォーマンスも目を見張るものがあるけど
何よりも、愛を求めて 求めて どうしても 手が届かない切なさとか
どんなに踏まれても、立ち上がろうとするたくましさとか
音楽に全てが表現されてるんだよねぇ。

ヘドウィグを演じるジョン・キャメロン・ミッチェル↑は
実際にゲイということを公にしてるとのこと。
だから ヘドウィグの心の叫びは、監督自身の心の叫びでもあるんだろう。
心は乙女でも 自分の中に残る男性の部分に翻弄される
トミーを愛しても、正面から受け止めてもらえない寂しさとか・・
捨てられるのが怖いから、自分から身を引いてしまうヘドウィグが切なくて、愛しい。
監督は人の心の痛みを本当に分かる人なんだと思いますね。
だからこその『ラビット・ホール』(二コール・キッドマン主演で、日本では11月に公開予定)なんだと
妙に納得しちゃいました。

ヘドウィグのヘアスタイルを模したヘアキャップ↑(なんて呼んでいいかわからないw)をつけて
私もステージを堪能したい。
映画が終わる頃には、すっかりヘドウィグに惚れこんでる自分がいました。
 
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