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映画ノート

ペイド・バック<未>


ビバ!敬老!!!
マイケル・ケインいくはずでしたが、昨日観たこれも敬老特集に入れちゃおっかな。
ヘレン・ミレンが元モサド工作員を演じ、30年来の敵と立ち向かうサスペンス映画『The Debt』
『ザ・ヘルプ』が3週連続のトップ収入をたたき出す中、興収2位につける健闘を見せました。
ペイド・バック<未>(2011) アメリ
監督:ジョン・マッデン
出演:ヘレン・ミレンジェシカ・チャステインサム・ワーシントンマートン・コーカス/トム・ウィルキンソン
   

 
ヘレン・ミレンが演じるのは、イスラエルの秘密情報機関モサドの元工作員レイチェル。
モサドについて、漠然とした知識しかなかったのですが、ナチス戦犯を探し裁判にもっていくというのも
彼らの大きな任務なんですね。
レイチェルが与えられたのも、他のメンバー2人と協力し、ナチス残党幹部で
今は町医者として暮らす人物を捕らえるというもの。
しかしながら、30年前に終えたはずのこのミッションには、3人しか知らない秘密が隠されていたのです。
 
タイトルのdebtには、借金、債務などという意味もあるけど
ここでは精神的に心に負うているもの 借り、といったところでしょうか。
映画は1997年と1966年の二つの時代を交錯させながら、その真実に迫ります。
 
スピルヴァーグの『ミュンヘン』に通じるところのある作品だけど
こういうスパイものに共通するのは、工作活動におけるスリルですよね~。
本作は爆弾を仕掛けたりとかの破壊活動があるわけではなく
シンプルに一人の戦犯に立ち向かうんだけど、やっぱりハラハラします。
若きレイチェルを演じるのは、『ツリー・オブ・ライフ』でブラピの妻を演じたジェシカ・チャステイン
この役を演じるために4ヶ月訓練したというアクションも見事で、身体能力の高さを見せ付けます。
他のメンバーにサム・ワーシントンマートン・コーカス
リーダー格で非情なマートン、優しさが弱さとなるサム・ワーシントンとレイチェルとの恋愛模様
絡めているのも見所。
時間軸が交錯し、最初は何のシーンかわからず「?」を残すものもあるのだけど
それらは、ハイライトすべきシーンとして繰り返されます。
その中には、真実と違う描写もあるところがミソ。
 
個人的にはモサドに対する知識が浅かったので、もう少し勉強してみれば良かったな (;゚∀゚)

終盤レイチェル(ヘレン・ミレン)が見せる執念は、
30年間抱えてきた負いにけじめをつけるものだったのでしょう。
 
監督は『恋におちたシェークスピア』のジョン・マッデン
そもそもは『X-Men :ファースト・ジェネレーション』のマシュー・ボーン監督が
映画権を獲得した作品らしいですが、マシュー監督が『キック・アス』製作で多忙なため
急遽ジョン・マッデンに回ってきたのだとか。
マシュー監督だと、ハラハラドキドキに加え、もっとユーモアを加えてくれたのかなぁと思うと
そっちで観たかったという気もします。

とはいえ、ヘレン・ミレン、やるときはやります。
年寄り扱いしたら叱られそうですねw